アーチコラム 袋井市で膝の痛い10代バスケ少年、少女。なぜ痛い?(アスリート鍼灸整骨院 袋井院)
袋井院に来院されるバスケットボールをプレーしている10代の少年少女たち、膝の痛みで思い切りバスケをできない子が多いです。
膝が痛いといっても、一人一人痛みのある個所は違います。膝のお皿の下の部分が痛い子、お皿の上の方が痛い子、膝の内側が痛い子。一人一人違います。
この違いは、一人一人の姿勢の違うからです。
痛みの箇所は少し違っていても、バスケをしていて膝の痛い多くの子達にはある共通点があります。
それは股関節が固く、股関節を上手く使えていないことです。本当にすごく多いです。
まず、なぜ股関節が上手く使えていないと膝が痛くなるかということをご説明していきます。
脚を動かす大きな関節は上から順に股関節(骨盤と太ももの骨との関節)、膝関節(太ももの骨とすねの骨との関節)、足関節(すねの骨と足の骨との関節、足首ですね)の3つです。
バスケ中の走る、跳ぶ、止まるなどの動きで脚を動かしているのは、この3つの関節です。バスケ中、この3つの関節が曲がったり、伸びたりをバランス良く行い脚が動き、走る、跳ぶ、止まるなどの動きが出来ます。
そうやって脚は動いているのですが、この3つの関節の中の1つの関節が固くなり動きにくくなってしまうとどうなるでしょう。
3つの関節の動きのバランスが崩れてしまい、脚の動きがぎこちなくなってしまう。
また、1つの関節が動かない分を他の2つ、または他の1つの関節が過剰に動いて脚を動かしてしまいます。
脚の動きがぎこちなくなってしまうと、走るのが遅くなってしまったり、ジャンプ力が低くなってしまったりしてしまいます。
さらに足が地面に衝く際に衝撃の吸収が上手く出来ず、ジャンプの着地時「ダンッ」と大きな音が出てしまうような着地になり体身体に強い衝撃がかかってしまいます。
もし股関節が固く動きが悪いと、強い衝撃がジャンプするたびに膝関節にかかっていきます。そして膝周りを支えている靭帯や筋肉、関節を覆っている関節包(関節を包む膜)に負担が繰り返しかかり、組織が壊れていき痛みが出てしまいます。
そして、股関節が固く動かない状態だと走る、跳ぶ、止まる動作の際に膝関節が股関節の分まで動かなければならず、曲げ伸ばしが増えます。過剰に使っていると、これもまた膝周りの靭帯や筋肉、関節包に負担がかかり痛みが出ます。
膝の使い過ぎによる痛みです。
ここでわかっていただきたいのは、「使い過ぎだから休めば良くなる。」ではなく、固まっている股関節を動くようにしてあげて、膝関節にかかる負担を減らしてあげることが必要ということです。
確かに休みをいれると痛みは落ち着くのですが、股関節が固いまま復帰すると、また同じように膝に痛みが出てしまいます。
股関節の固い方のジャンプ着地姿勢 ※股関節が動かず、腰が丸まる。 股関節が動かない分、膝が曲がる。
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股関節を上手く使えている方のジャンプ着地姿勢 ※股関節が動くのでお尻が突き出て腰が丸まらない。 股関節が動く分、膝の曲がる角度が少ない。 |
写真の「股関節を上手く使えている方のジャンプ着地姿勢」の様な形をとれるようにしていきたいのですが、股関節が固いとこの形がとれません。
股関節を動くようにするケアはいくつかあるのですが、今日はその中の1つお伝えします。
〇ハムストリングスのリリース、ストレッチ〇
ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)
太ももの後ろ側についている筋肉です。骨盤から、すねの骨までついていて、太ももを後方へ引く時と膝を曲げるときに使う筋肉です。
この筋肉が硬くなってしまうと、太ももを後方に引いた状態になってしまいます。
ハムストリングスに骨盤が引っ張られて後ろに倒れてしまいます。
これを骨盤の後傾といいます。
※骨盤の後傾についてはこちら
まずは股関節の固さのチェックです。
骨盤が後傾で固まっていると、前屈で手が床につきません。
前屈で床に手がついても、下の写真のように股関節は曲がらず、腰から背中が大きく曲がっていて床に手がついている子は股関節が固まっています。
お子さんの前屈を確認してみてください。
ここからケアをお伝えしていきます。
まずは筋膜リリース。
硬くなっている筋肉、筋膜をほぐして柔らかくしてあげるケアです。
ハムストリングスの筋膜リリース
〇野球ボールまたはソフトボール位の大きさのボールを用意し、
写真のようにボールの上にももを乗せて座ります。
〇体重を乗せたまま前後に動き、ボールを転がしていきます。片方1分を目安に行ってください。
※固まっていれば固まっているほど痛いです。
次にストレッチ。
リリースで柔らかくした筋肉を伸ばし、柔軟性をだし動きを良くします。
なので、行う順番はリリースした後にストレッチでケアしてください。
ハムストリングスのストレッチ
〇イスの上に浅く座り、伸ばす方の脚を前に出します。
〇膝を少しだけ曲げ、からだを前に倒していきます。
※からだを前に倒す際、腰が丸まらないように。骨盤を前に倒すようにする。
状態にもよりますが、このケアをするだけでも、股関節の動きが変わっていき、膝にかかる負担が軽減できます。
ぜひ試してみてください。
今回は足関節(足首)については触れませんでしたが、また今後お話しさせていただきます。
「休めば良くなる。でも、やりだすとまた痛くなる。」というお子さん、股関節が固くないですか?
チェックしてみてください。
アスリート鍼灸整骨院袋井院 石川瑞記