アーチコラム 名古屋市の陸上選手へ――大会まで我慢で本当に大丈夫?その太もも裏の痛み、今こそ正しい判断を
こんにちは!
名古屋市千種区にあるスポーツラボ鍼接骨院の吉川です!
大会前なのに陸上の練習をしていたら太ももの裏が痛くなった!
初めてでどうしたらいいのかわからない!
今この足はどうなっているの?筋肉痛にしては痛みが強い…検査、治療、リハビリ…何が必要なの?
その痛み、もしかしたら肉離れかもしれません!
今回は、急な太もも裏の痛みについて解説していきます
目次
①そもそも肉離れって何?
結局のところ肉離れって何なの?
筋肉の構造と肉離れになりやすい筋肉、力の入れ方も合わせて説明します!
肉離れ(にくばなれ)は、筋肉の一部が傷ついたり、裂けたりするケガのことです。
主にスポーツや運動中に急に力を入れたときに起こります。
筋肉は筋繊維と呼ばれる細い細胞が束になり、これが伸びたり縮んだりして体を動かしています。
例えるとすればゴムのようなものですね。
身体の部位によってこの束の太さや束の量、並び方は変わってきます。
肉離れは主に「筋繊維や束の一部が切れる(断裂する)」ことを言います。
加えて、硬い筋肉だとどうでしょうか?
ゴムは硬くなると切れてしまいやすいですよね?
筋肉もそれと一緒で、硬い状態だと傷がついたり切れやすくなってしまうのです!
後は、「肉離れが起こりやすい筋肉の使い方」これもできれば知っておきたい知識です。
筋肉の力の入り方には大きく3種類があり、
・求心性収縮:筋肉が縮みながら力が入る
・等尺性収縮:筋肉の長さが変わらないまま力が入る
・遠心性収縮:筋肉が引き伸ばされながら力が入る この3つです
この内、筋肉が傷つきやすい力の入り方は「遠心性収縮」で一番筋肉にストレスがかかり、肉離れにもなりやすいのです。
例えば、ラン中に前に振り出した足を地面につける時、
→膝は伸びるためもも裏の筋肉自体は引き伸ばされているのに
足は後ろに引きたいのでもも裏にも力が入る
この動きは遠心性収縮を行っていて、これを繰り返し高強度で行う陸上短距離競技は肉離れが起こりやすそうですよね。
つまり、硬い筋肉のまま急な遠心性収縮(短距離のラン動作)を行っているときに受傷の危険が高まるということです。
ここまでの話を聞くと「筋肉が切れるなんて怖い!」と感じる方も多いかと思います。
しかし、皆さんご存じの「筋肉痛」これも筋肉にごく小さな損傷が起こっている状態なのです!
こう聞くと少し怖さも薄れたでしょうか?ですが、本当に重要なのはここからの内容になってきます!
②筋肉痛との違い
筋肉痛と肉離れ、違うって言われても何が違うの?
この2つ、どちらも運動後に筋肉に痛みが出る現象で違いが分かりにくいですが、筋肉の損傷具合や痛みが出る原因、痛みが出た後に必要な対応が違うのです!
筋肉痛は「いつもよりたくさん動いて、筋繊維が損傷を起こし軽い炎症が起こっている」状態です。
炎症は傷ついたところを治しているときに起こる身体の正常な反応です。
たとえば、久しぶりに運動した翌日に「なんか太ももが重いなぁ」「腕がジンジンするなぁ」と感じることがありますよね?これは傷を治しているときに起こる痛みで早くて1・2日、長くても1週間ほどで治ります。
肉離れは「筋肉が無理に引っ張られて、筋繊維が束ごと傷ついたり切れてしまうケガ」で、筋肉痛より大きな損傷が起こります。
急に走ったりジャンプしたときに、「ブチッ」と音がしたり、「ピキッ」と鋭い痛みが走ります。
これは治すには早くても2週間、長くて1か月以上かかるもので、適切な治療とリハビリを行わないと痛みが長引いたり、再受傷につながってしまいます。
下に筋肉痛と肉離れの違いを表にまとめました
項目 |
筋肉痛 |
肉離れ |
原因 |
筋肉の使いすぎや運動による疲れ |
筋肉が急に強く引っ張られて筋肉に傷がついたり切れる |
痛みの出方 |
運動の数時間後〜翌日にじわじわ痛くなる |
運動中や直後に「ブチッ」「ピキッ」と急に痛くなる |
痛みの強さ |
我慢できる程度 |
動けなくなることも |
痛みの場所 |
広い範囲がぼんやりと痛い |
はっきりとした場所がズキッと痛む |
見た目の変化 |
特に変化なし |
腫れ・内出血(青あざ)などが出ることもある |
治り方 |
数日休めば自然に回復 |
回復までに2週間~1か月以上かかる 医療の助けが必要な場合が多い |
治療の必要性 |
通常は不要 |
治療と適切なリハビリが必要 |
このように似た症状でも違いがあり、特に肉離れだった場合には適切な対応が必要不可欠です。
だから、皆さんには正しい知識を持って対策や対応を行えるようにしてほしいのです!
ここからは肉離れかな?と思ったらやってほしいことをお伝えします!
③肉離れに必要なこと
痛みが出たらすぐに「PEACE&LOVE処置」を行うことが必要です。
従来のRICE処置と違ってできるだけ早くから適切な荷重や運動を始めていく治療法です!
※ただこの内、Compression(圧迫)は肉離れの場合には痛みが強く出る可能性が高いですので強く行わない様、
注意が必要です。
この処置ができていない、治るだろうと放置していると再受傷につながります。
PEACE(ケガ直後の処置)
ケガの最初の1~3日目に行うこと
P = Protection(保護) |
けがをした部分を無理に動かさず、安静に保つ。悪化を防ぐ。 |
E = Elevation(挙上) |
患部(例:足)を心臓より高くして腫れを抑える。 |
A = Avoid anti-inflammatories (抗炎症薬を避ける) |
炎症は回復の一部なので、初期に薬で抑えすぎない。 |
C = Compression(圧迫) |
軽く包帯などで巻いて腫れや内出血を防ぐ。 |
E = Education(情報と理解) |
正しい知識を持ち、むやみにマッサージやストレッチをしない。 |
LOVE(回復期のケア)
受傷から3日目以降の炎症が落ち着いてきた頃から行うこと
L = Load(負荷をかける) |
回復に応じて少しずつ動かし、筋肉に刺激を与える。 |
O = Optimism(前向きな気持ち) |
心の状態も回復に大きく影響。ポジティブ思考で! |
V = Vascularisation(血流の促進) |
軽い有酸素運動などで血流を良くし、回復を早める。 |
E = Exercise(運動) |
正しいリハビリ運動で筋力・柔軟性を取り戻す。 |
つまり…
「PEACE」で悪化を防ぎつつ身体を守り、
「LOVE」で少しずつ体を回復モードに導く、
それが今のリハビリやケガの処置の“理想の流れ”です。
リハビリには段階的な負荷が必要であり、初めて起こった時にしっかり治しておくのが再受傷や後遺症を残さないためのポイントになっていきます!
④まとめ
今回は肉離れとは何か、どんな時にどんな筋肉が肉離れになりやすいか、筋肉痛との違い、肉離れのような痛みが起こってしまった時にはどうすれば良いのかを解説しました。
皆さんは肉離れのような痛みが起こってしまった時には
まずはその日のうちにPEACE処置を行い、どの程度の損傷が起こっているのか、正しく知る必要があります。
その後、回復期にLOVE処置で適切な強度で負荷をかけて早い治癒を促すことが今後、怪我を気にすることなく思いっきり陸上に専念するために大切だとお伝えしました!
とはいってもなかなか難しい対応ですよね、そんな時こそ!私たち、スポーツラボに頼ってほしいのです!
スポーツラボでは
・エコーでの状態の確認
・マッサージや鍼で患部の治癒を促進
・患部の状態に合った強度のリハビリの運動指導
とその選手に必要な治療を行うことができます。
どの程度のケガか、エコー検査で判断し、リハビリ、回復の過程、どう治していくのか、大会はどうするのか、細かく説明いたします!
わからない、不安な事ばかりですよね、貴方の身体について一緒に考えていきましょう!
ぜひご相談ください。いつでもお待ちしております。
TEL:052-753-9670
〒464-0055
愛知県名古屋市千種区姫池通3-28 辻ビル2階