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アーチコラム その痛み、無視してるの? 足の内側の痛み『外脛骨障害』について

 

部活動をしている学生や、その保護者の方から

「足の内側が痛いみたいで…」 「最近、練習後に気にすることが増えました」

そんな相談を受けることがあります。

 

見た目はそこまで腫れていない。

歩くこともできる。

でも、走ると痛い。

ジャンプの着地で響く。

 

 

こういったケースで意外と多いのが外脛骨による痛みです。

 

聞き慣れない名前かもしれませんが、スポーツ現場では決して珍しいものではありません。

特に、成長期の学生や運動量が多い選手では、よく目にする足のトラブルの一つです。

 

今回は学生アスリートの敵である「外脛骨障害」について解説します!

 

 目次

①外脛骨とは?「骨があること」自体は問題ではない!

  

 

外脛骨とは、足の内側にある舟状骨という骨の近くに、もともと存在する小さな骨のことです。

(写真の青い骨:舟状骨)

生まれつき持っている人も多く、日本人では決して少なくありません。

 

ここでよくある誤解が、 「外脛骨がある=悪い」 「見つかったら治療が必要」 という考え方です。

実際には、外脛骨があっても一度も痛みが出ない人もいます。

つまり、問題なのは骨の存在そのものではなく、 その骨に負担が集中する状態になっているかどうかだと考えています。

 

② 外脛骨が痛くなりやすい状態とは?

  

 

 

外脛骨の痛みで多いのは、 「骨と骨のつなぎ目の部分にストレスが集中している状態」です。

外脛骨は、舟状骨のすぐ近くにあり、しっかり一体化している人もいれば、 少し独立したような形で存在している人もいます。

この「つなぎ目」に、

 

・走る

・止まる

・跳ぶ

・着地する

 

といった動作が何度も繰り返されることで、 少しずつ負担がたまり、炎症が起きてしまいます。

特に成長期は、 骨の成長スピードに対して、筋肉や腱の柔軟性が追いつかず、

この部分に引っ張られる力が集中しやすくなります。

「特別なケガをした覚えはないけど、いつの間にか痛くなった」 というケースが多いのは、このためだと思われます。

 

③ なぜスポーツをすると痛みが出やすいのか

  

 

外脛骨の痛みを考えるうえで、 後脛骨筋(こうけいこつきん) という筋肉は欠かせません。

(写真の青い筋肉:後脛骨筋)

この筋肉は、 ・土踏まずを支える ・足が内側につぶれすぎないようにする といった役割を持っています。

 

 

スポーツでは、

・ダッシュ

・切り返し

・ジャンプの着地

といった動作のたびに、この筋肉が強く働きます。

 

 

もし、着地のときに足の内側へ沈み込むクセがあったり、

疲労によってアーチが保てなくなってくると、 後脛骨筋は常に引っ張られ続けます。

その結果、 筋肉が付着している外脛骨周囲に負担が集中し、 痛みとして出てきます。

 

「最初は練習後だけ痛かった」 「休むと少し楽になる」 という段階を経て、

徐々にプレー中も気になるようになるケースが多い印象です。

 

④ 外脛骨の痛みは小さなサインかもしれない

  

外脛骨の厄介な点は、 初期の痛みがそこまで強くないこと です。

・少し違和感がある

・触ると痛い

・でも動けないほどではない

 

この段階で無理を続けてしまうと、 徐々に痛みが強くなり、 走る・跳ぶといった基本動作にも影響が出てきます。

また、足の内側をかばうことで、 スネや膝、反対側の足に負担が広がることも少なくありません。

外脛骨の痛みは、 「休めば必ず治る」というものでもなく、 「我慢していれば慣れる」というものでもありません。

 

 

なぜそこに負担が集中したのか。

足の使い方、着地のクセ、運動量。

 

そういった部分を一度整理してあげることが、 結果的に競技を続ける近道になることが多いと感じています。

足の内側の痛みは、 身体からの小さなサインかもしれません。

ただ、そのサインをどう受け取るかで、 その後のプレーは大きく変わってきます。

外脛骨の痛みは、 「少し様子を見よう」 「そのうち治るかも」 と後回しにされやすいケガだと思います。

 

実際、歩けてしまうし、 練習もなんとかこなせてしまう。

でも、痛みが出ているということは、 どこかに無理がかかっているサインでもあります。

 

当院では外脛骨そのものだけを見るのではなく、

・足の使い方

・着地や歩き方、走り方のクセ

・運動量や練習環境

といった部分も含めて、今の状態を確認していきます。

 

 

 

その結果によっては、 リハビリで身体の使い方を変えた方がいい場合もあれば、

足元の負担を減らすためにインソールの調整が必要になることもあります。

スポーツによる足の内側の痛みや外脛骨が気になる場合は、一度ご相談ください。

 

スポーツラボ鍼整骨院 藤田晃生

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