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アーチコラム 腰椎分離症を「足元」から治す。

【専門コラム】腰椎分離症を「足元」から治す――なぜオーダーメイドインソールが腰の救世主になるのか
 
スポーツに励む成長期のお子様や、長年腰痛に悩まされている方にとって、
「腰椎分離症」は非常に身近で、かつ厄介な疾患です。本コラムでは、分離症のメカニズムを解き明かし、
なぜ「靴」や「インソール」がその治療において不可欠な役割を果たすのか、専門的な視点から分かりやすく解説します。
 
 
1. 腰椎分離症の正体:なぜ「腰」が壊れるのか
腰椎分離症は、一言で言えば「腰椎の椎弓部(ついきゅうぶ)と呼ばれる部位の「疲労骨折」」です
特に第5腰椎(L5)に多く発生し、その割合は全体の約85〜95%にのぼります
 
 
L5は脊柱の最下位に位置し、仙骨という土台の上で上半身の重みを全て受け止めています
さらに、スポーツにおけるジャンプや走行時の地面からの衝撃を最も強く受けるのもこの部位です
腰を反らす(伸展)、あるいは捻る(回旋)といった動作が繰り返されることで、
構造的に薄い椎弓峡部にストレスが集中し、骨が耐えきれなくなってひびが入ってしまうのです
腰椎分離症は、椎弓の細い部分にストレスが集中して起こります。
 
2. 「1日540トン」の衝撃を味方につける
ここで驚きの事実をお伝えします。人は1日に平均して約7,500歩歩くと言われています
ゆっくり歩く際でも、足には体重の約1.2倍の負荷がかかります。例えば体重60kgの人なら、一歩ごとに72kg、1日合計では実に540トンもの重さを足部で受け止めている計算になります
 
この膨大なエネルギーは、歩き方に癖があると全て「悪いストレス」として腰に蓄積されます。
しかし、逆に言えば、歩行を正しくガイドできれば、1日7,500回のエクササイズを行っているのと同じ効果を得られるのです
手技や一時的な運動療法と異なり、インソールが「治療方法の1つ」として強力なのは、この「「効果の持続時間」」にあります
 
3. 歩行分析で見抜く「腰への回り道」
インソール作製において最も重要なのは、実は「歩行分析」です。
成功の5割はこの分析にかかっていると言っても過言ではありません
私たちは、歩行を以下の3つの相に分けて精密に分析します。
 
1. IC(踵接地)〜LR(荷重応答期): かかとが地面に着く瞬間。
 
2. MSt(立脚中期): 片足で体重を支える瞬間。
 
3. TSt(立脚終期)〜PSw(前遊脚期): かかとが上がり、つま先で蹴り出す瞬間。
 
分離症の方に多いのが、衝撃を外側で受けてしまう「踏み出し脚」のパターンです
接地時に足が外側に流れる(ラテラルスラスト)と、骨盤が横に揺れ(スウェイ)、上半身の重心が後方に残ってしまいます
この「回り道」のような不安定な動きが、腰椎に過度な回旋や伸展ストレスを強いるのです
専門家が動画や目視で一歩一歩の動きを詳細に分析します。
 
4. オーダーメイドインソールができるまで
私たちのインソールは、単に土踏まずを高くするだけのものではありません。ミリ単位の調整で「床反力(地面から跳ね返る力)」をコントロールし、腰への負担を物理的に書き換えます
 
① 徹底した身体評価と計測
足部の可動域だけでなく、股関節、骨盤、胸郭の柔軟性まで細かくチェックします
サイズ計測では、座った状態(非荷重)と立った状態(荷重)の両方をミリ単位で測り、JIS規格に基づいた最適なウィズ(足囲)を割り出します
正確なフィッティングのために、荷重状態での計測は欠かせません。
 
② パッドのマーキングと加工
足裏の骨の位置(舟状骨、距骨、立方骨など)を銀ペンでマークし、それを中敷きに転写します
ここからが職人技です。例えば、外側への突き上げを解消するために第5中足骨付近のパッドをカットしたり、距骨と舟状骨の高さのバランスを調整して、足部がスムーズに前へ進むようガイドを作ります 骨の位置に合わせた緻密なマーキングが、矯正の精度を決めます。
 
③ 歩行チェックと微調整
完成したインソールで実際に歩き、2往復もすれば関節のアライメント(並び)に変化が現れます。体重の1.2倍の力がかかるため、即座に効果が確認できるのです
 
5. 靴選びも治療の重要なプロセス
どれほど優れたインソールがあっても、器となる「靴」が正しくなければ効果は半減します。
強いヒールカウンター: かかとを安定させ、ねじれを防ぐ
 
硬いシャンク: 靴底の中央がしっかりしており、歪みを防ぐ
 
適切なサイズ(捨て寸): つま先に7mm〜1cmの隙間があること
 
特に分離症の治療においては、安定性の低いレーシングシューズやバレエシューズは避け、しっかりと足を支える構造の靴を選ぶことが推奨されます
 
まとめ
 
腰椎分離症の改善には、安静や体幹トレーニングだけでなく、「土台である足元からの改革」が必要です。 1日7,500歩という膨大なインパクトを、腰を壊す「凶器」にするのか、体を整える「治療」にするのか。
 
その鍵を握っているのが、あなたにぴったり合った一足の靴とインソールです。
 
私たちは、あなたの「一歩」を正しい道へと導くお手伝いをいたします。ぜひ一度、専門的なシューズフィッティングと歩行分析を体験してみてください。
 
 

 

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