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アーチコラム 静岡市でフィジカルを強くしたいサッカー少年たちへ

静岡市でフィジカルを強くしたいサッカー選手達へ

 

初めまして。

アスリート鍼灸整骨院瀬名川店の照屋です。

私は柔道整復師とアスレティックトレーナーの資格を持ち、治療やリハビリ、パフォーマンスアップのトレーニングを学生アスリートや一般の方に伝えてさせていただいています。

 

私自身サッカーをしており、怪我で辛かった思い出や試合で最後まで走り切れないこと、身体を張らないといけない場面で相手FWに競り負け失点に絡み自分のミスで負けた試合もあり悔しい思いもしてきましたが、県大会で入賞した事などサッカーを通して様々な経験をさせてもらいました。残念ながら選手として大成する事はありませんでしたが、引退後はサッカーやラグビーのトレーナーとして選手をサポートする側にまわり、アスリート達からも学ばせてもらいました。トレーナーではサポートしているチームが優勝し、選手時代には叶わなかった全国大会へ連れて行ってくれました。全国大会では持ち前のテクニックも相手チームのフィジカルの強さに圧倒され、自分たちの実力を発揮できずに負けてしまい、引退する選手達をみて私自身も悔しい思いをしてきました。

 

今回はその経験をふまえて、「サッカーで強いシュートや、フィジカルコンタクトで負けたくない選手」を目指すのはどうしたらいいかをアップさせて頂きました。

 

目次

 

⚽1.そのトレーニング合っていますか?

⚽2.現代サッカーで求められるもの

~スプリントとランニング~

⚽3.世界で活躍するために小中学生で身に付けるトレーニング

⚽4.鍛えよう!大臀筋!

⚽5.おわりに
 

 

 

1.そのトレーニング合っていますか?

 

今ではYouTubeやネットが発達しており、動画等を見ながらトレーニングを知る機会が増えていると思います。しかし、情報が溢れすぎて本当に自分に必要トレーニングなのか、どれがサッカーに必要な身体の使い方なのかなど、正しいトレーニングフォームもふくめて客観的に捉える事が難しく感じる事があるのではないでしょうか?

 

結論から言うと、このトレーニングだけでサッカーがうまく・強くなるといくものはありません。サッカーでは持久力・スプリント能力・パワー・戦術・スキルなど全ての要因が絡んでおり、継続する事が何より大事なことだからです。

 

どのトレーニングでもテーマを持ち自分で考えてプレーする・取り組む事ができる選手が上手くなる・強くなる為の第1歩になると私は思います。

 

そこで今回はサッカーに必要なフィジカル要素と、走る・飛ぶ・止まる時など全てに関与してくる大臀筋(だいでんきん・お尻の筋肉)にフォーカスを当てたいと思います。

主に現代サッカーの特徴と、大殿筋・臀筋群のトレーニングについてお話しして行きたいと思います。

 

 

小学生から身体を鍛える必要性

https://www.arch-treat.com/news/detail/243

 

デュエルとは?当たり負けない身体を作りたい少年へ

 https://www.arch-treat.com/news/detail/248

 

2.現代サッカーで求められるもの ~スプリントとランニング~

まず現代サッカーの特徴を簡単にお話ししたいと思います。

(今回は走行距離などに焦点を当てていますが、走る為に必要なエネルギーの供給の仕組みはより専門的になるので今回は省かせてもらいます。)

 

皆さんはサッカーがボールを扱う競技である事は想像に難しくないと思いますが、ではどのくらいボールに触れているのでしょうか?

サッカーにおける試合中の行動パターンを調査した報告では、(成人選手対象)

90分間の試合で1人の選手がボールを保持する時間は多くても3分程度と考えられており、それ以外の多くの時間はボールを持たないランニングや止まっているか、歩いている事になります。試合中の走行距離は、ポジションや競技レベル、試合や戦術によって個人差はありますが、サッカーの1試合の平均移動距離は約9〜12km程度だそうです。

 

なんとボールを扱う競技なのに、1人の選手がボールに触れている時間は僅か3分程度です!

試合の内容や競技レベルにもよって多少の差は出てきますが、サッカーの試合中は約98%が有酸素的(軽いランニングなど)で、残りの2%程度がダッシュやジャンプなどの無酸素的活動(ダッシュや高強度ランニングなど)になるのです。

 

(有酸素能力の低い選手は疲労回復までの時間がかり、怪我のリスクや脳しんとう等のリスクになる事が報告されています。また試合の最後までばてずに走り続けられる選手は仲間から信頼され、頼りにされます。)

 

それでは国際試合はどのような数字になるのでしょうか?

2018年に行われたロシアワールドカップ(以下W杯)でベスト8進出をかけた試合で、日本代表はベルギー代表と対戦し惜敗しました。その試合で記録された日本代表の走行距離の平均(GKを除く)は10.4kmだったのに対し、ベルギー代表は10.3kmでした。

また決勝のフランス対クロアチアは、優勝したフランスが9.2kmに対してクロアチアが9.6kmでした。

 

サッカーの動きでは歩行・ジョギング・スプリント・ランニング(低・中・高強度)などあり、試合中に最も多いのは歩行やジョギングになります。

近年では高強度ランニング(時速15km以上のランニングのこと)の注目度が高く、競技レベルの高い選手ほど高強度ランニングの回数が多いです。さらに高強度ランニングは1本あたりの移動距離(m)ではなく、いかに数多く(本数)の高強度ランニングができるかが大事になってきます。

つまり、走行距離の多さは競技レベルとあまり関係がなく,サッカー選手として高い競技レベルでプレーする為には、高強度ランニングを数多く繰り返す事ができる能力(間欠的持久力)が必要になります。

ちなみにフィジカルトレーニングというと、重りを持ったトレーニングや、体幹トレーニングのプローン(巷ではプランクや、フロントブリッジ等呼ばれていますが、当院ではプローンで統一しています)などをイメージするかもしれませんが、走る能力も立派なフィジカル的要素になります。

ちなみに2018年ロシアW杯の日本対ベルギーでは総走行距離もスプリント回数も僅かながら日本が競り勝っています。

しかし、ロシアW杯の国別走行距離(選手1人あたりの平均)では日本の順位は意外にも低く、

32カ国中20位(7370.7m)

ベルギーは21位(7358.7m)

サッカー王国ブラジルは14位(7440.5m)

優勝したフランスはなんと23位(7343.4m)でした。 1人あたりの平均なので多少の誤差はあると思いますが、

1位はロシアの(8328.8m)でした。

 

また2018年のW杯とJ1リーグ戦の1試合平均走行距離ではJ1の選手の方が約11km走っています。W杯全チームの平均走行距離は約10kmなので、1kmほどJ1選手の方が多く走っています。

しかし、平均スプリント回数(スプリントや高強度ランニング)ではW杯の1試合が平均300回前後とJ1の169回と倍近くあります。

つまり、競技レベルが上がるほど走行距離が多い=強い・勝てるチームではない事がわかります。有酸素的な走行距離だけでなく、スプリント回数の多いチームが強いチームの条件の一つになりそうですね。

 

日本人選手の特徴として有酸素的能力は比較的世界と渡り合えるが、スプリント回数では各国と比べ差がある事がわかります。スプリント能力は筋力との相関があり、日本人は身長や体重で外国の選手と比較して小柄で細身な選手が多いです。この体格差は以前から指摘されている部分でもあります。また、身体組成(筋肉量・体脂肪量・体脂肪率など)については、体脂肪率(%)と体脂肪量(kg)は各国と比べてもそこまで大きな差がなかったのです。

しかし除脂肪体重では日本人選手が外国人選手と比較して明らかに少ないのです。この除脂肪体重の差はそのまま筋肉量の差になります。日本人選手は、長く走るための有酸素能力や、細かい動きのアジリティなどは外国人選手と比較しても低くはないですが、筋肉量がパフォーマンスに繋がるダッシュや高強度ランニングなどのスプリント能力、ヘディングで高く飛ぶためのジャンプ力、ゴール前の攻防時のフィジカルコンタクトなど、試合中でも日本人選手が大きな外国人選手と対戦する際に苦戦する場面がよく見られると思います。

この筋肉量(除脂肪体重)の差が世代別の代表からA代表の全ての世代で、各国と比べて劣っています。

 

サッカーでは約98%が歩行やジョギングなどの有酸素的要素であり、残りの約2%が無酸素的要素になると述べましたが、ゴール前の攻防・カウンターの鋭さ、攻守の切り替えの速さなど一瞬で試合が決まる場面も多くあります。

さらには、レベルの高い試合では走行距離ではなく、ダッシュの回数(スプリント回数・高強度ランニング回数)をいかに増やせるかが、高いレベルでプレーする際に求められます。またダッシュのスピードなどのいわゆるスプリント能力やジャンプ力はスクワットの最大筋力と比例します。最大筋力が上がれば、強いシュートや高いジャンプも可能となり、フィジカルコンタクトにも負けにくくなります。

プレーするレベルが上がってくると、相手選手も大きく・上手い選手が増えてくると思います。それに伴い球際のプレッシャーも激しくなってきます。その中で自分の持っているスキルを最大限に活かす為にもスプリント能力と繰り返しダッシュができる能力が必要になり、さらにはコンタクト時に簡単に倒れない選手になる事が求められます。

 

3.世界で活躍するために小・中学生で身に付けるトレーニング

 

しかしながら、小学生・中学生のまだ身体のできていない時期に、筋肉を大きくつけるような激しいトレーニングは必要ないと思います。前述の内容はあくまでも高校生以上になった時に意識すると良いと思います。

ただし、激しいウエイトトレーニングは必要ありませんが、小学生・中学年代でもできることはあります。正しい身体の使い方や、股関節の使い方がサッカーにおけるパフォーマンスアップを図る事ができ、さらにはケガの予防にもなります。また、プレーするカテゴリーが上がりウエイトトレーニングなどが始まった時に動作の習得効率も良くなります。

 

小学・中学年代では正しい身体の使い方を覚え、将来に備えていく事が大切です。

今後、フィジカルトレーニングに対しての考え方も変化してくと思います。

フィジカルも強くテクニックもある選手になる第一歩として、今回は大臀筋・中臀筋のトレーニングをお話ししていきます。

 

4.鍛えよう!大殿筋!

 

ここでは大臀筋にフォーカスを当てますが、中臀筋も大事な筋肉なので一緒にふれていきたいと思います。

 

大殿筋は下半身・股関節を支える人間の身体の中で一番分厚い筋肉になります。

走る・飛ぶ・止まるなどほぼ全てのスポーツ動作に関与する筋肉で、サッカーでは大臀筋もそうですが、中臀筋も重要な作用をしています。

また、オーバーユースなどで下肢や体幹の故障を訴える選手の多くが中臀筋の機能低下を認めます。中臀筋は骨盤の安定性において重要な筋肉です。ドリブルやボールを蹴る際に片足立ちになる機会が多いサッカー選手にとってはかなり大事な筋肉と言えます。

 

また、基本的にプロスポーツ選手は大臀筋などの臀筋群がかなり発達しています。

 元ブラジル代表 フッキ選手 イングランド代表 スターリング選手 オランダ代表 ファンダイク選手

 

引用URL:https://www.soccer-king.jp/news/world/eng/20171205/679222.html

引用URL:https://www.soccer-king.jp/news/world/eng/20170916/643310.html

サッカーではボールをキープする際にも大臀筋・中臀筋の力を体幹とうまく連動させることにより、簡単には倒れない選手につながります。

 

次に大臀筋の働き方ですが、運動軸となる股関節よりも上部を走行する線維が上部線維。下方を走行する線維が下部線維に分けられます。

両者とも股関節伸展に関与しますが、微妙に異なった働きをします。

 

・大臀筋

→股関節伸展、外転の補助。

腸脛靱帯を通しての股関節伸展時の膝の安定性向上。

 

・大臀筋上部

→股関節伸展、股関節外旋と外転の補助

 

・大臀筋下部

→股関節伸展・外旋(ランニングや、座位から立位への移行の際の力強い伸展。)

→体幹の伸展

 

・中臀筋

上部線維

→股関節の外転と外旋の補助

前部線維

→股関節の内旋と屈曲の補助

 

大臀筋の筋活動では上部線維の方が大きく活動時間も長いです。

しかし、骨盤の前傾位を保ち力強い股関節の伸展を出す為には、大臀筋下部の作用がメインとなります。

 

また、シュートを打つ際に多用する機会の多いインステップキックでの蹴り脚の各関節の速度を比較したデータでは、最初に股関節(大転子)部分の速度がピークになり、次に膝関節速度がピークになり、最後に足関節速度がピークとなりボールにインパクトします。筋肉を一時的に伸ばした後に急速に収縮させると、伸張反射や筋・腱に貯められたエネルギーの放出によってより大きな力を得る事ができます。

この現象をSSC(ストレッチショートニングサイクル)と言います。サッカーのキックでも、バックスイング時に大腿の前側(大腿四頭筋)が引き伸ばされ、フォワードスイング時に急激に収縮する際に、このSSCを効率的に利用することにより、強烈なシュート打てるようになります。

 

   バックスイング        フォワードスイング

 

 

胸を開き腕が引け、足を後ろに引き伸ばすことによりパワフルなシュートが打てるので、まさに全身を使ってボールを蹴ることになります。

 

   腕をしっかり振れている状態      腕がしっかり振れていない状態

                                        

ボールを蹴る動きでは、大臀筋が足を後ろに引く作用があります。

バックスイング時に股関節伸展外転位からフォワードスイングへ移行して行き、股関節屈曲内転位となり、大臀筋下部線維は強烈な収縮から弛緩していきます。またその間、片足立ちになるので中臀筋が骨盤の動的安定性(骨ではなく、筋肉などで支える事)に働きます。この時にフリーでボールを蹴る時もありますが、基本的にサッカーではコンタクトがあるので、コンタクトされても耐えられるだけのバランス能力や筋力が必要になりその機能に大臀筋・中臀筋が関わってきます。

また大臀筋は筋膜を通して背中の広背筋や、ハムストリングや内転筋群などとも連結しているので、大殿筋・中臀筋はもちろんのこと体幹とも連動させていく事が大事です。

 

中臀筋のトレーニング

当院でおこなっている中臀筋のトレーニングの一つをご紹介します。

 

・グーパージャンプ

 

 

・やりかたと注意点

①     肩幅程度に開き、足首付近にチューブを巻く。

②     リズミカルにジャンプをしながら、足を開いたり閉じたりを繰り返す。

③     ジャンプの際に身体が丸くならないようにお腹に力を入れる。

④     お尻の外側にある中臀筋に疲労感があると良い。

⑤     1セット10〜20回の2セット行う。

 

注意点

→足を開く時につま先が外側を向かないようにする。

→足を閉じる時に最初の開始姿勢よりも狭くならないようにする。

→足を閉じる際に膝が内側に入らないように注意する(内股)

 

大臀筋のトレーニング

大臀筋上部のトレーニングを紹介します。

①     臀筋チューブトレーニング

 

 

 

やり方と注意点

・骨盤を前傾位に保つ

・脚の幅は肩幅程度に開く

・膝を曲げないように片方の足を後方に引く

・お尻の付け根付近に疲労感や収縮感があると良い

・10〜20回2セット行う

 

注意点

・腰が丸くならないように注意する。

・後ろに引いた足のつま先が外側や内側に向かないように注意する

・足を引く際に上体を前に倒さないようにする

 

②     大臀筋下部のトレーニング

・ブルガリアンスクワットキープ

 

やり方と注意点

・片足を台の上に乗せる

・少し腰を落とし臀部下部に使っている感じが出るところまで下げる

・30秒程度キープし、2セット行う

・お尻の付け根の当たりに疲労感が出ると良い

 

注意点

・腰から曲がらないように注意する

・腰を落としていく際に膝が内側に入らないようにする

・膝がつま先より前に出ないように注意する

 

5.終わりに

今回はサッカーの競技要素と臀筋群のトレーニングの一例を紹介させて頂きました。

特に臀筋の筋力向上は、フィジカルコンタクト時に倒れにくい身体を作る為に必要になりパフォーマンスアップを図れます。

また、ケガの予防にも繋がる大事な筋肉ですのでこの機会に臀筋を鍛え、ライバルに差をつけられるよう頑張りましょう!

 

 

当院ではケガの治療やリハビリとは別に、痛みに困っていない方も通院できるように、パフォーマンスアップの為のトレーニング指導も行っています。今回のテーマのようにフィジカルを強化したい子や、シュート力や早いボールを投げられるようになりたい子などスポーツを行っている学生さんや一般の方はもちろん、最近運動不足が気になる方など、どなたでもご利用いただく事ができます。トレーニング前に専門的な知識を持ったスタッフがカウンセリングをおこない、そこで身体の特徴やクセをみつけ、個々にあったトレーニングやストレッチ方法などをご提供させていただいています。

お悩みや気になる事がある方はお気軽に当院へご連絡ください。

 

 アスリート鍼灸整骨院 瀬名川店 照屋陽太

 

資格 柔道整復師 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

経歴

1994年2月 新潟県生まれ沖縄育ち

2012年3月 沖縄県立浦添高等学校卒業

2015年3月 福岡医健専門学校柔道整復科卒業

2015年4月 福岡医健専門学校スポーツ科学科アスレティックトレーナーコース入学

2015年10月~2016年10月福岡県私立大学ラグビー部アシスタントトレーナー/福岡県県立高校ラグビー部トレーナー

2017年3月福岡医健専門学校アスレティックトレーナーコース卒業

2017年4月~2020年2月 両国きたむら整形外科(東京)勤務

2020年3月~2021年3月 JFAアカデミー福島westメディカルトレーナーとして着任

2021年4月~現在    アスリート鍼灸整骨院入社

 

アスリート鍼灸整骨院 瀬名川店

静岡市葵区1-31-19

TEL054-297-3811

 

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