アーチコラム 朝、歩き始めの1歩目が痛い、足の裏の痛みで悩まされているランナーのみなさんへ(アシスト鍼灸整骨院 磐田市)
みなさん、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
さて、今回はこの時期にとくに多いランナーの足の裏の痛み「踵(かかと)の内側」の痛みについてお話しさせていただきます。
「朝、歩き始めの1歩目が足裏に痛みが走る」「歩くと足の裏の筋がピキンと張る感じがする」「体重をかけると踵がズキンズキンする」「足の裏がよく疲れるんだよね」といった経験のある方はいませんか。もしかしたらその足の裏の痛み、違和感は俗に言われる『足底腱膜炎』かもしれません。場合によっては『足底筋膜炎』とも呼ばれます。同じ症状であると思っていただいて大丈夫です。
では、この足底腱膜炎は何故痛みを伴うのでしょう。しかも、両足ではなく片足に痛みが出る方がほとんどです。(稀に両足に痛みを伴う方もいらっしゃいます。)痛みのメカニズムとしては簡単に言うと足底腱膜という部分に過度な牽引ストレスや圧迫ストレスをかけているので痛みとして感じるのです。ですから、裏を返せば過度ではなく適度なストレスであれば、痛みを感じないはずですね。では、どうしたら痛みを感じない足を手に入れることができるのでしょう。紐解いてご説明していきます。
まずその前に足底腱膜がどこを通っているのかを知っておく必要があります。みなさんご自身のつま先が上を向くように足首をあげてみてください。その次にそのままの状態で足の指先を手で持って上にあげてみてください。そうすると、足の裏にピーンと浮き出る部分が出てくるのが分かりますか?それが足底腱膜でございます。踵の内側から始まって足の裏をとって、それぞれの指先にまで通っております。先程お話させていただきましたが、要はここに過度なストレスがかかり痛みを感じているわけですね。痛みのある方はこれだけでも痛みを感じたりもします。
では、過度なストレスとはどういった状態で起こるのでしょうか。実は、姿勢と歩き方が大きく影響しているのです。まず、姿勢のお話からさせていただきます。腰痛のコラムのときにも話が出てきましたが、背中が丸くなって骨盤が後ろに倒れてしまっている、言ってみればダラっという姿勢の方がなりやすいです。この姿勢だと、普段立っているだけでも踵に体重が乗りすぎてしまいます。綺麗な姿勢な方よりもかなり後方重心になります。1日中、自分の体重が踵に乗るということは、足底腱膜の付着物(踵の内側)に常に圧迫ストレスがかかる状態になっていますから、痛みが出やすいということですね。なので、まず姿勢を改善して重心の位置、足底部分への体重がかかる位置を変えてあげることがとても大切なのです。
次に歩き方です。車を運転するのにアクセルとブレーキがあるように、人の脚にもアクセルに働きやすい脚とブレーキに働きやすい脚があります。では、歩きをイメージしてみましょう。例えば、左脚で後ろに蹴り出すとき。これは左脚がアクセルです。右脚は前に出してブレーキしながら足をつきます。さらに言うと人は歩くとき骨盤を回旋しながら歩きます。右脚を出すときと左脚を出すときで、この骨盤の回旋量(回旋の大きさ)が変わってきます。この場合は左脚よりも右脚を前に出すときの方が骨盤の回旋量も大きく、一歩が大きいと考えることができるので、専門的には左脚を蹴り出し脚、右脚を踏み出し脚と言います。このように、人は歩くとき蹴り出し脚と踏み出し脚をいつのまにか自分の中で作り出して歩いているのです。では、痛みが出やすいのは、どちらの脚なのでしょうか。正解は踏み出し脚(ブレーキ脚)です。理由は何でもそうですが、スピードが出ているものを止めるということはものすごく力(エネルギー)が入りますよね。力がいるということはその分ストレスがかかりやすいということです。それから踏み出し脚の方が地面に接している時間が長いので痛みが出やすい足になります。実際、踏み出し脚で足をつき、そこから自分の体重が乗っかり蹴り出す直前に一番足底腱膜にストレスがかかりやすいのです。なので歩行で痛みを抱えている方もこの瞬間に痛みを感じる方が多いと思います。
では、それでも何故痛みが出る人と出ない人がいるのでしょう。
他の要因として、
・患側の足首が固くなってしまっている。(距腿関節部の背屈制限)
・足をつき衝撃吸収時の患側の土踏まず部分の各関節のしなやかさがなくなってしまっている。(足部の骨の配列異常、可動域制限)
・上半身の重心が、患側に乗りすぎてしまっている。
・普段履いている靴、ランニングシューズが合っていない。
などが挙げられます。
以上のことから思うように足の裏(踵の内側)の痛みが引かない方は、改善ポイント、着目ポイントがたくさんあります。仮に安静にして痛みが和らいだとしても、痛みの出た原因(根本)が治らない限り、再発してしまう可能性が大いにあります。ですから、まずご自身の痛みの原因が何なのか、どこから来ているのかを知っておくことがとても大切です。そして、違和感が出たときに早めに治療することが必要です。我慢していると、痛みが引かないどころか悪化してしまう可能性があります。なので、すぐに治療をすることをお勧め致します。
ぜひランナーのみなさん、痛みや不安無く思い切り走ることを楽しみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
アシスト鍼灸整骨院 鈴木