サッカー、大腿部、打撲、テーピング

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アーチコラム サッカーの大事な試合の前にももかんが入って一日でも早く治したい方へ

 

こんにちは。
名古屋市緑区にあるスポーツラボ鍼整骨院に勤務している西島です。
私は鍼灸師とアスレティックトレーナーの資格を持ち、日々、学生アスリートや一般の方たちに治療、リハビリ、トレーニング指導を行っています。

 

 

今回はサッカーやバスケ、ハンドボールなどで相手の膝が太ももに入って痛くなる「ももかん」についてお話していきます。

 


コンタクトプレーが多いスポーツをやっていた方は一度は経験したことがあるのではないでしょうか。


サッカーでは足首の捻挫に次いで多い怪我という報告もあります。


これだけ発生頻度が高い怪我ですがそれゆえに症状を軽視してしまう方が多くいます。

 

 

そんな方にももかんが起きた時の処置方法、痛みを軽減するためのテーピングなどをお伝えしていきますので最後まで読んでみてください。

 

 

 

 

 目次



 

 

 

 

①ももかんとは

  

 

 

太ももを打撲した時に筋肉が損傷するものの通称を「ももかん」と言います。


地方によってはチャボやチャランポというところもあるみたいです。


正式名称は筋挫傷、チャーリーホースと言います。

 

 

呼び名のことは置いといて、

 


ももかんは接触プレー時に相手の膝や骨盤などの骨が太ももに当たることで筋肉が大腿骨(太ももの骨)に挟まれ損傷することをいいます。

 

 

太ももの筋肉、大腿四頭筋は表面の内側から外側にかけて内側広筋、大腿直筋、外側広筋とあり深層に中間広筋という4つの筋肉があります。

 

ももかんは骨と骨で筋肉が挟まれて起こるため表面の筋肉よりも骨に近い深部の筋肉、中間広筋が損傷することが多く、ももかんの重症度は相手の膝などが当たった時の衝撃力によって変わってきます。



 

    

 

 

 

 

②ももかんの重症度分類

  

 

 


ももかんが起きた時に動きが制限されるのが膝を曲げる動き(膝の屈曲)です。


したがって、重症度の目安は先ほど伝えた衝撃力の大きさと膝の屈曲角度が参考になります。

 

 

 

重症度はI度(軽症)〜Ⅲ度(重症)に分けられます。

 

 


Ⅰ度(軽症)は膝の屈曲制限がなく、90°以上の屈曲ができる。

 

 

Ⅱ度(中等症)は膝の屈曲角度が45°〜90°

 

 

Ⅲ度(重症)は膝の屈曲角度が45°以下

 

 

 

 

 

 

受傷直後は膝の屈曲が90°以上できたがその後、腫れが出てきたことで膝の屈曲が制限されることが多くあります。


試合中にももかんが入って痛みがあるがやり続けて試合が終わったら痛みと腫れで膝が全然曲がらないという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

このように受傷直後、その後の対処をおろそかにしてしまうと治りが遅くなるだけでなく取り返しのつかない状態にもなってしまいます。

 

 

 

ももかんを軽視してしまっている方にももかんから起こる重篤な症状をお伝えします。

 

 

 

・骨化性筋炎


ももかんのような筋挫傷の後に起こりやすい合併症で筋挫傷の数%から20%に発生したという報告もあります。


筋肉の炎症が続き、そこにカルシウムが沈着することで骨を作ってしまい、筋肉を動かすたびに痛みが出てしまう症状です。


運動時の強い痛みと膝の屈曲制限が顕著に出ます。

 

通常、ももかんからスポーツに完全復帰するまでは軽度で2週程といわれますが骨化性筋炎になると4~6か月、手術で骨を取り除くこともあります。

 

 

 


・コンパートメント症候群


Ⅲ度(重症)の筋挫傷では大量の内出血によって内部の圧力が高まり血管や神経を圧迫することで血流障害や神経障害を起こし、最悪の場合、足を切断しなければならなくなります。

 


受傷後、5.6時間以内に痛みが増悪してくる場合や安静にしていても耐えられない痛みがあるときはすぐに医療機関を受診することをおすすめします。

 

 

どちらも受傷後に適切な処置をしなかったり、痛みがあるが我慢してその後も練習を続けていると起こる可能性が高くなりますのでそうならないための処置方法をお伝えします。

 

 

 

 

 

③ももかんの処置方法

  

 

 

 

ももかんが入ったときの処置でポイントは3つです。

 

 

1つ目は出血を最小限に抑えることです。

 

受傷直後から3日目まではアイシングを1回10分~15分行い、1時間おいてまたアイシングを行うというサイクルを徹底して行います。


お風呂に入る際も湯船にはつからず軽くシャワーで洗う程度にします。

 

 

 

2つ目は可能な限りで膝の屈曲運動(ストレッチ)を行うことです。

 


アイシングを行う際も膝を屈曲させ、損傷した筋肉に適度にストレッチをかけることで血腫の形成を抑制し、出血が溜まるスペースをなくすことが大事です。


膝の屈曲時に痛みがあると膝を伸ばしたままの状態にしがちですが、腫れをひかせたり、膝を動かしやすくするためには我慢できる範囲で膝の屈曲運動をしていきましょう。

 

 

 

 

 

 

3つ目は痛めた筋肉の周りの筋肉や皮膚をほぐすことです。

 


ももかんは不意に構えていないところから強い刺激が入り、発生することがほとんどです。


この時に身体で起こる反応があります。


それは防御反射です。

 


これは不意に大きな外力を受けたことに対して身体が危機感を感じ、筋肉を過剰に収縮させて守るための反射です。


この防御反射は正常な身体の反応ですが防御反射が解除されず筋肉が過緊張した状態では膝の動きにくさはもちろん、痛みや腫れも引きづらくなってしまいます。

 

そのため痛めた筋肉の周りの筋肉や皮膚をほぐし防御反射を解除することが重要です。

 


皮膚や筋肉が固まった状態は指でつまんだ時に皮膚がうまく集めれず、突っ張った感覚があります。


これをボールや電動のマッサージガンなどを使ってほぐすことで指でつまんでも突っ張らないようにしていきましょう。

 

*急性期に痛めた筋肉を直接ほぐすと悪化する可能性がありますのでほぐすのはあくまで周りの筋肉にしましょう。

 

 

      

 

 

 

 

 

④ももかんのテーピング方法

  

 

 


ももかんのテーピングをお伝えしていきます。

 

まず、伸縮性のあるテーピングを用意していただきます。

 


太ももを強打したところの少し下側から少し上側までテーピングで×を作るように巻いていきます。

 

 

 

 

    

 

 

 


この時のポイントは


・強打した部分が×の交わる部分になるようにする


・テーピングで強打した部分を押し付けるようにして巻くことです。

 

下側から上側まで巻き終わったら太ももの全周を包帯か伸縮性のあるテーピングで締め付けすぎないように巻いていきます。

 

 

 

 

 

⑤まとめ

  

 


ここまでももかんについてお話してきました。


ももかんが入ったときに回復を早めるために初期の処置が重要であることは伝わりましたか?


今回お伝えしたももかんの処置を知っておくことで遠征中や次の日が大切な試合で早く回復しなければいけないときに役立ててほしいと思います。

 

 

・ここに書いてある処置をしたが一向に良くならない


・我慢してやっていたら痛みが強くなってどうしたらいいか分からない

 

 

そんな方は話の中でもお伝えした重症の場合や重篤な症状の可能性がありますのでももかんを軽視せず一度私たちにご相談ください。

 

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