肉離れ,もも裏ストレッチ,ふくらはぎストレッチ

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アーチコラム 袋井市でもも裏の痛みが続いている陸上選手へ

こんにちは。袋井市大門にあるアスリート鍼灸整骨院に勤務している竹谷です。

私は鍼灸師の資格を持ち、お身体に痛みや悩みのある方への治療やリハビリ、パフォーマンスアップトレーニングなどを行っています。

 

今回はスポーツをやっている学生や一般の方でも一度はきいたことや受傷されたことがあるかもしれない、肉離れという怪我についての内容です。

 

 目次

 

 

①肉離れのメカニズム

  

 

筋肉の形状は大きく分けて①紡錘状筋②羽状筋の2つになります。

 

①紡錘状筋

→・筋繊維が腱に対して平行な筋

    ・筋肉が長軸方向に対して並行かつ直線的に      並んでいて、早いスピードで収縮することができる

    ・例)上腕二頭筋など

 

②羽状筋

→・筋繊維が腱に対して斜めの筋

    ・筋肉が長軸方向対して斜めに並んでいて、筋の一定の領域に、より多くの線維を収納できるため、

   同じ体積の①紡錘状筋より強い力を発揮することができる

    ・上腕三頭筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋など

 

 

また、筋肉の収縮には

①求心性収縮(コンセントリック)

筋肉が縮こむことで関節が曲がり力が発揮される収縮

 

②等尺性収縮(アイソメトリック)

筋肉の長さが変わらない状態で発生

 

③遠心性収縮(エキセントリック)

筋肉が伸びることで関節が伸ばされ力を制御する収縮

があります。

 

 

 

肉離れは羽状筋に受傷しやすく、自家筋力(拮抗筋の力)または介達外力によって、抵抗下に筋が過伸展される。

つまり、遠心性収縮(筋肉が急に引き伸ばされる)により筋腱移行部または筋と腱膜の移行部で損傷します。

 

肉離れが起こると、急激な痛みが出現し疼痛により競技続行不可能となったり、「プチっ」という音や何かが切れた

音がします。

成長期の時期は成長軟骨のため柔らかく筋や、腱に耐えきれず、同様の受賞機転で裂離骨折となりやすいです。

 

 

 

②肉離れが起こりやすい場所

  

 

 

損傷しやすい場所はハムストリングス(大腿二頭筋長頭・短頭、半腱様筋・半膜様筋)が多く、次いで下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)です。

特に一番多いハムストリングスの中でも大腿二頭筋長頭・半膜様筋の損傷が多いです。

 

 

スポーツの種目的には、陸上競技(短距離)が圧倒的に多く、次いでサッカーをやっている方の発症が多いです。

 

 

要因・原因としては、

1:筋肉の柔軟性欠如

2:筋力・筋持久力の低下

3:拮抗筋力(ハムストリングス・大腿四頭筋)のアンバランス

4:不適切なウォーミングアップ・ストレッチ不足

5:筋肉の同時収縮の低下(臀筋・ハムストリングス)

6:不適切なフォーム

7:不完全なリハビリテーションによる早すぎる復帰

 

他にも…

アライメントから考える原因としては、

 

①sway back姿勢(重心が後ろ姿勢)

ハムストリングス、下腿三頭筋=ハイスティフネス

大腿四頭筋=ハイモーメント

 

 

②骨盤前傾姿勢(重心が前姿勢)

ハムストリングス、下腿三頭筋=ハイモーメント

大腿四頭筋=ハイスティフネス

 

③U-COG (上半身質量重心)

負傷側に質量重心が倒れてることが多い

 

 

※ハイスティフネス(過短縮)…遠心性収縮に耐えきれない

=過短縮しているため遠心性収縮を作りにくく骨盤を前傾に持っていくことができない

※ハイモーメント(過伸張)…筋疲労により損傷しやすい

=常に伸ばされ周囲の筋肉に押さえつけられてるため癒着が起こりやすい

 

 

③肉離れの再発について

  

 

筋肉(骨格筋)は打撲や肉離れ等により損傷しても筋線維の周囲に存在しているサテライト細胞と呼ばれる筋幹細胞により再生されます。

サテライト細胞は通常、眠った状態(休止期)で存在していますが、

筋肉の損傷後から…

 

             ①活性化→②増殖→③筋分化

 

の3つのステップを踏んで損傷部位を再生していきます。

 

 

肉離れを受傷してからの流れとしては、

 

受傷直後より局所の疼痛・圧痛・腫脹がみられる

                                    ↓

筋肉の伸張痛のため関節運動制限が生じる

疼痛が強くなり歩行困難となることもある

                                    ↓

時間とともに疼痛・腫脹は軽減するが、同部位に硬結が見られる場合がある

といった症状を訴えます。

 

肉離れの一番厄介な点としては、再受傷の確率が高いということです。

 

通常、骨折はリモデリング(組織や臓器が何らかの原因で適応・修復する過程)があり骨折した後に骨は元に戻り強くなるが、筋線維にはそれがないです。

なので、肉離れによる筋損傷で炎症が起こり、損傷部を結合組織(コラーゲン)により修復されるが、コラーゲンが過剰に産生されると通常の筋肉組織とは異なり、硬くて伸縮性が低い瘢痕組織となり線維化してしまいます

2〜3週間で損傷前とほぼ同じ状態にはなるが、筋力自体はまだ回復していないため、早期競技復帰には細心の注意やテーピングなしで競技を行ったり、長時間の固定、肉離れの放置、適切な負荷でリハビリが行えていないと瘢痕化・線維化してしまい再発リスクが高まってしまいます。

 

 

④再発を防ぐ方法

  

 

肉離れを受傷した時の応急処置・対処法としては、PEACE & LOVEというのがあります。

 

①PEACE…受傷直後〜4日間くらいは積極的に行う

 

P:(protection)保護

       痛みを伴う活動をさける。

E:(elevation) 挙上

       できるだけ心臓より高くあげる。

A:(avoid anti-inflammatories)抗炎症薬を避ける。

       怪我をした組織の回復を低下させる可能性があるため避けるアイシングも場合によっては避ける(再生の第1相が遅れる)。

        ※熱感や腫脹などアイシングが必要だと思う場合は行う。

C:(compression)圧迫

       綿包帯やテーピングで腫れを抑える。

E:(education) 教育

       患者の状態に最も適した対処法を伝える。

 

②LOVE…筋の再生の促進と線維化を抑制するために痛みがない範囲で、積極的に行っていく

 

L:(load)負荷

      痛みと相談しながら徐々に日常生活に戻るようにする。

O:(optimism)楽観思考

       前向きな考えを持つことで最適な回復が可能になる。

       ボジティブな思考に切り替えることが重要。

V:(vascularisation)血流を増やす

      痛みが伴わない有酸素運動を行うことで、負傷組織への血流を増やし回復を促進させる。

E:(exercise) 運動

      体の動き、筋力、自己受容性感覚を回復させる。

 

 

⑤再発を防ぐ方法、リハビリの必要性

  

 

どの怪我をしてもいえることですが、再受傷を防ぐ上で最も重要なことはいきなり競技復帰するのではなく、段階を踏んでリハビリ・トレーニングを行っていくことです。

 

肉離れのリハビリ・トレーニングの大原則は、

 

等尺性収縮(アイソメトリック)→拮抗筋収縮(受傷した筋肉の反対筋肉)→求心性収縮(コンセントリック)→遠心性収縮(エキセントリック)

 

の順に行っていきます。

 

今回は最も受傷が多いハムストリングスのリハビリ・トレーニングのご紹介をしていきます。

 

◎ハムストリングスのリハビリ・トレーニング

 

〈受傷〜3日後〉→等尺性収縮(アイソメトリック)

 

☆バランスボールつぶし  

point  骨盤前傾を意識する

        ・この時期は修復過程が盛んに行われています。

        ・受傷〜3日後は自家筋力でのトレーニン グを開始する。

            ※損傷度合いにもよります

 

〈受傷〜3日後〉→拮抗筋トレーニング

 

☆セッティング  

point  股関節が浮いてこないように内側広筋を意識して行う

         ・ハムストリングスの反対側の筋肉である大腿四頭筋の求心性収縮(コンセントリック)を行うことで、

    ハムストリングスが弛緩されて可動域があがります。

 

〈1週目までに開始〉→求心性収縮(コンセントリック)トレーニング

 

☆6動作  

point  ①お尻をしめる ②膝を曲げる ③ももを上げる ④ももを降ろす ⑤膝を伸ばす

         ⑥お尻を緩めるの順で行う

         ・股関節内・外旋に注意

         ・腰椎伸展に注意

         ・臀筋を使ってからハムストリングスを使う

         ・筋肉を短縮させながら力を発揮します。

 

〈1週目までに開始〉→癒着予防

 

☆ハムストリングスのリリース・ストレッチ

point  リリース:ソフトボールか小さいボールを入れ1分間前後に大きく動く

          ストレッチ:骨盤前傾で足を前に伸ばすが膝は少し曲げつま先は天井に向け20秒間行う

 

         ・可動域制限を取り除く、予防することにより関節可動域を維持、また再受傷を防ぐためにも行います。

          ※癒着や伸長量を出さず遠心性収縮(エキセントリック)トレーニングを開始すると、再受傷する可能性もあるため、

     痛みを確認しながら行いストレッチ痛がないことを確認し遠心性収縮(エキセントリック)トレーニングを開始していきます

 

〈1週目〜2週目までに開始〉→求心性収縮(コンセントリック)トレーニング強度大

                                         遠心性収縮(エキセントリック)トレーニング

 

☆ヒップリフト  

 

point  骨盤前傾腰椎伸展に注意

          お尻を上げるときつま先が上がらないように行う

          ・復帰に向けて徐々に強度を上げていきます。

 

〈1週目までに開始〉→臀筋強化

 

☆片足スクワットキープ  動画

point  臀筋の下に効いてるか

          骨盤前傾、股関節を屈曲しすぎない

          かかと重心にならないように

         ・臀筋下部を強化することによって肉離れが起こる衝撃に耐えるようにします。

 

☆スクワットジャンプ  動画

point  臀筋の下に効いてるか

          骨盤前傾、股関節を屈曲しすぎない

          かかと重心にならないように

          股関節伸展動作をいれる

        ・ランニングに向けて痛みを確認しながら強度を上げていきます。

 

〈2週目〜〉→競技復帰前トレーニング開始

 

☆ジョグ

point  初回はスピード遅く行い、徐々に時間を上げていく

         ・ハムストリングスの強化、心肺機能維持、向上のために行います。

         ・ジョグによる伸ばして→戻すという動作を繰り返すことによって筋肉の収縮に

           関わる構造で筋節とも呼ばれるサルコメアを増やすための刺激を与えることができます。

 

〈2週目〜〉→競技復帰前トレーニング開始

 

☆BOXジャンプ  動画

point  強い負荷がかかるため注意しながら行う

         ・復帰までに最大負荷を与えます。

 

〈2週目〜〉→競技復帰前トレーニング開始

 

☆ランニング

point  ジョグのスピードを徐々に上げていく

          ・3週目で痛みなく行えた場合、徐々に競技復帰を行っていきます。

 

 

痛みを抱えながらスポーツをやっている方を少しでも無くしていけるように私たちは治療やリハビリ・トレーニング指導などを行っています。

今回ご紹介した肉離れという怪我は再受傷の確率がかなり高いです。

再受傷しないためにも、治療や段階を踏んでリハビリ・トレーニングを行っていく必要があります。

今後スポーツを長く続けたい、痛みなくスポーツや日常生活を過ごしたいという方は、ぜひご相談ください。

 

静岡県袋井市大門17-5

アスリート鍼灸整骨院 袋井

TEL:0538-42-2552

 

竹谷 楓

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