アーチコラム 磐田市でスポーツ(野球、テニス、バレー)をすると肩の前が痛い10~50代の方へ
こんにちは。
アシスト鍼灸整骨院で勤務している辻岡と申します。
私は鍼灸師の資格を有し、一般の方や学生、アスリートまで様々な年齢の方に対して痛みが出ないためのサポートをさせていただいて
おります。
また、昨年東海大会に出場したビーチサッカーチームのトレーナーとしても活動おり、スポーツ復帰に向けたリハビリ、
パフォーマンスアップの為のトレーニング指導もしています。
いきなりですが、最近治療やトレーナー活動をしていて
「この場所に痛みが出る方が多いな」と感じる症状があります。
“肩の前側の痛み”です。
特に野球やバレーボールなどのオーバーヘッドスポーツを行っている選手に多いです。
なぜ肩の横や後面ではなく前面なのか…
それは《肩関節の位置が前方に変位》しているからです。
是非皆さんも写真のように肩関節の位置をチェックしてみてください。
写真で見比べてみると、治療前の上の写真は矢印がある部分のベッドと肩の隙間が大きく開いており、肩関節が前側に押し出されている状態なのが
よくわかります。
治療後の下の写真はベッドと肩の隙間が少なくなり、服の縫い目も治療前と比べると真横に近づいています。
本来、肩関節の適切な位置は治療後の状態なのです。
では肩関節が前側に押し出されることでどのようなことが起き、痛みが出るのでしょうか。
肩関節の前側には主に上腕二頭筋という筋肉が存在します。
上の写真のように上腕二頭筋長頭、短頭ともに肩の前側を通って肘の骨にくっついているため、
肩が前方に変位すると上腕二頭筋も前側に押し出されて引き伸ばされてしまいます。
この状態で日常生活やスポーツで肩を動かしてしまうと、当然肩の前側に強いストレスがかかり続けて炎症が起こり、
痛みが出てきます。
特にボールを投げる際やテニスのサーブを打つ際の、腕を後方に引く動きで最も引き伸されるストレスがかかるため、
肩関節が前側におしだされた状態でスポーツを続けるのはかなりのリスクがあります。
もちろん上腕二頭筋だけでなく、肩関節を包む膜や靱帯などの組織も同様にストレスを受け続ければ痛みが出てしまうのです。
これで肩関節の前面に痛みが出る理由はお分かりいただけたと思います。
しかし、そもそも《肩関節の位置が前側に押し出されてしまう》原因は何でしょうか?
多くの場合、肩関節周囲の筋肉が硬くなり短縮することで肩関節を前側に押し出してしまいます。
その中でも特に原因となり得る筋肉が
- 前鋸筋
- 大胸筋
- 棘下筋
の3種類です。
- 前鋸筋
上の写真のように肋骨の間に存在する筋肉で、肩甲骨を外側に引っ張る作用があります。
肩甲骨が外側に動くことで肩関節が前側に押し出されてしまうのです。
またデスクワークや勉強、車の運転などで長時間手を前に伸ばすような状態が続くことで前鋸筋が固まってきてしまうため、
日常的に硬くなりやすい筋肉です。
- 大胸筋
胸の前面に存在する大きな筋肉で、体の中心から肩関節にかけて存在します。
この筋肉が硬くなると猫背のように肩関節を内巻にしてしまい、肩関節を前側に押し出してしまいます。
大胸筋は椅子やソファーなどの背もたれにもたれかかる姿勢が続くことで固まりやすいため、前鋸筋と同様に
日常生活の中でも硬くなりやすい筋肉です。
- 棘下筋
前鋸筋や大胸筋と比較すると小さな筋肉で、肩甲骨~肩関節後面にかけて存在します。
そのため、短縮して硬くなると棘下筋が動きが悪くなってしまい肩関節を後ろから前へ押しだしてしまいます。
このように日常生活の中でも筋肉の硬さが出てきてしまうため、スポーツをしている方はもちろん、
運動習慣がない方でもこまめに筋肉をほぐすことが大切になります。
そこでご自宅にあるボールやローラーなどで簡単出来る筋肉のほぐし方をお伝えします。
- 前鋸筋
写真のようにローラーや大きめのボール(バレーボール、サッカーボールなど)を地面と脇の下にはさみ、矢印の方向に動かします。
- 大胸筋
写真の位置を中心に、小さめのボール(テニスボール、野球ボールなど)を胸の前に押し当てるようにしてほぐします。
- 棘下筋
ほぐしたい側を下向きにして写真のように横向きで寝て方の後面に小さめのボールを入れて動かします。
ボールやローラーを当てて痛い場所が筋肉の硬さがある場所になるので、自分で位置を調節しながらそれぞれ1分間行ってみてください。
今回は肩関節前面の痛みについてお話させていただきました。
スポーツをしている方であれば誰にでも起こり得る痛みですがセルフケアをしっかりと行えば痛み無くプレー出来るはずです。
しかし、肩関節の痛みには筋肉以外にも多くの組織が関わってくるため、今回お伝えした内容が肩関節前面の全て当てはまるわけではありません。
痛みが出る場所は同じでも、人それぞれ原因は違います。
「自分でセルフケアをしたけど痛みが変わらない」
「肩関節の位置が前方に出ているか自分ではよく分からない」
という方は気軽にご相談ください。
あなたの痛みの根本的な原因を突き止め、痛み無くスポーツが出来るよう全力でサポートさせていただきます。
アシスト鍼灸整骨院
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辻岡 伸也