アーチコラム 磐田市で肘が痛くて悩んでいる野球選手へ
こんにちは。
私は磐田市にあるアシスト鍼灸整骨院で働いている辻岡です。
これから夏本番を迎えようとする中、野球では夏の大会の熱戦が各地で繰り広げられています!
負ければ終わりというプレッシャーの中で「一日でも長く野球をしたい」「必ず優勝する」という想いを胸に戦っている選手達はとても輝いており、観ていてこれ以上無いほど感動させられます。
ですがそんな中で
肘が痛くてボールを全力で投げられない
肘の痛みを何度も繰り返している
といった悩みを抱えてプレーをしている野球少年も少なからずいるはずです。
そこで今回は痛みを抱えている選手が少しでも全力でプレー出来るように
今回は肘の痛みに繋がる姿勢や自宅でも出来るセルフケアの方法をお伝えします。
まず、肘が痛くなる原因として多いのが投球です。
肘の痛みを抱えている選手も投球時に痛みが出ることが大半だと思います。
ではその投球を細かくフェーズ分けしてみましょう。
➀ワインドアップ期
②アーリーコッキング期
③レイトコッキング期
④アクセラレーション期
⑤フォロースルー期
①→ ② → ③ → ④ → ⑤
このように、投球は5つのフェーズに分けられます。
それぞれの時期によって痛みが出やすい場所や負担がかかりやすい場所は異なりますが、
肘の痛みが出てきやすいのは
③レイトコッキング期~④アクセラレーション期になります。
このフェーズは後の説明でも出てきますのでかなり重要です。
では投球フェーズが細かく分かったところで、良くない投球とはどんなフォームのことをいうのでしょうか。
色んなことが頭に浮かぶと思いますが、良くない投球をする上でよく耳にするのが〈肘が下がっている〉という言葉です。
これは野球選手の方々は当然知っていることだと思います。
確かに肘にとっては良くなく、肘が下がった状態での投球を繰り返していると痛みに繋がりやすいです。
でもなぜ肘が下がってしまうのでしょうか?
原因は様々ですが、今回は
Ⅰ.肩甲骨の動き
Ⅱ.体幹部(上半身)の動き
この2つに大別して説明していきます。
まずⅠ.肩甲骨の動き についてです。
Ⅰ.の中でも、特に肩甲骨を背骨に近づける動きが大事になります。
この動きがうまく出ないと、手を上に上げる肩関節の動きが出にくくなってしまい、③レイトコッキング期に肘が下がった状態になってしまいます。
そして③レイトコッキング期に肘が下がった状態で④フォロースルー期へ移行しようとした際に肘の内側が引き延ばされるストレスが大きくかかります。
このストレスの繰り返しにより過度な負荷がかかり、痛みが出てきてしまうのです。
また肘の内側が引き延ばされるストレスが過度にかかる状態を放置してしまうと変形性関節症にも進行してしまう可能性があるので特に注意が必要です。
このように肩甲骨を背骨側へ引き寄せる動きが出にくい場合、前鋸筋という筋肉の硬さが原因です。
下の写真のようにフォームローラーやストレッチポールなどでリリース(ケア)をしましょう。
頭⇔足の方向に上下に動いて転がします。
30秒~1分間が目安です。
また、胸椎での胸も開く動きも肩甲骨の内側に引き寄せるには重要になってきます。
そもそも胸が開けないと肩甲骨を動かせるだけの幅がなく、可動域が狭まってしまうからです。
そこで胸を開く動きを出すように胸椎のリリースも行いましょう。
このリリースは野球ボールを使って出来るのでオススメです。
写真のように背中と床の間に野球ボールを挟んで頭⇔足の方向に転がします。
左右分けて行いますが、前鋸筋と同様に片方30秒~1分間行いましょう。
次にⅡ.体幹部(上半身)の動き についてです。
投球時の体幹部(上半身)は③レイトコッキング期において、本来投球側の手と反対側へ倒れます。体幹部を反対側へ倒すことでボールのリリース位置が高くなり、エネルギーもボールへ伝えやすくなるのです。
しかし体幹部を反対側へ倒せないと…ボールのリリース位置が低くなる、つまり肘が下がった状態になってしまうのです。
このように体幹部の動きを出したい場合も、先程紹介した前鋸筋のリリースが効果的です
。
ただ、体幹部を反対側へ倒す動きを出す狙いで前鋸筋のリリースを行う場合は、両方リリースしてしまうと体幹部が反対側へ倒れる動きの変化が出にくく成ってしまうため、投球側のみリリースを行うと良いです。
今回は肘の痛みの原因と、痛みを少しでも改善するように自宅で出来るリリース方法をお伝えしました。
今まで部活や練習で忙しくてケアをする時間が無かったから出来なかったと思う方も多いかもしれませんが、練習量が多ければ多いほどケアが重要になりますし、ケアが出来ていれば痛みが出るのを未然に防ぐことが出来ます。
痛みが出てからではパフォーマンスに大きく影響してしまうことが多いです。
目標としている大会や試合に全力で臨めるように、自分で出来る準備は行っていきましょう。
辻岡 伸也