アーチコラム 磐田市で少年野球をしていて、肩の痛みでリトルリーグショルダーと診断された方へ
鍼灸師の中田 徹です。鍼灸師として18年間の臨床経験と野球・高校バレーボール・空手等のトレーナー経験を活かし整骨院に勤務しています。
私は小学生~大学生まで15年間野球をしていました。
選手時代には、よく怪我に悩まされていました、その中でも私自身も経験したことがある
野球肩(リトルリーガーズショルダー)についてお伝えします。
そんな方々に今回のテーマ、
『⚾小学生~中学生の野球選手で肩の痛みで悩み、治したい方へ!
~治療・リハビリから復帰までの考え方~ 』
目次
⚾1.リトルリーガーズショルダーとは??
肩関節になにが起きているの??
⚾2.どんな症状で、どこが痛くなるの??自宅でのセルフチェック
この場所が痛かったら要注意!!
⚾3.リトルリーガーズショルダーになりやすい原因と対処法
猫背の姿勢と関節可動域制限が・・
⚾4.痛みがあるときの治療と必要なリハビリ
治療をしている時に大事にしているポイントを教えます
⚾5.野球肩と診断され一日でも早く治す為の栄養療法
身体の内側から(栄養面から)サポートし早く治す手段
⚾1.リトルリーガーズショルダー(上腕骨近位端骨端線離開)とは??
簡単に言うと、肩関節の疲労骨折みたいなものです!
医療用語では、上腕骨近位骨端線離開と言われています。
リトルリーガーズショルダー(Little leaguers shoulder)は、15歳以下の野球の選手に多くみられる肩のスポーツ障害で、上腕骨の近位骨端成長軟骨板の炎症あるいは損傷のことを言います。
リトルリーガーショルダー、リトルリーグ肩、野球肩とも言われていますね。
上腕骨(力こぶがあるの骨)のように長い骨を長管骨と呼び。ヒトの誕生直後は、長管骨の骨端(骨の両端)は軟骨でできており、
(黄色い矢印の場所が、投げる力で下に骨が牽引されて間が広がっていく)
骨端線が成長とともに骨化が進む。したがって、成長期の子どもの上腕骨においては、骨端に骨化前の軟骨が存在し
この軟骨の場所が骨の成長と共に伸びていくのですが、
繰り返しの投球動作で、腕を強く振るとフォロースルーにおいて上腕骨近位(頭に近い側)の骨端成長軟骨板に強い力がかかり、引き延ばされて炎症あるいは損傷が発生すると言われています。
⚾2.どんな症状で、どこが痛くなるの??自宅でのセルフチェック
症状
肩全体に痛みがあります。
その中でも押さえての痛みは、肩の外側に出ます
初期は肩を動かした時などで痛みが出ます。
投球動作ではフォロースルー期で引き延ばされることによるストレスが加わり痛みます。
日常生活で痛みが出てくるのは後期になってからです。
投げている最中や・投げ終わった後に肩の外側(赤い矢印)に痛みがある場合は要注意です!!
検査
一番正確なのは、画像検査によって判断します。
レントゲン・超音波エコー検査が主になってきます。
エコーでの画像がこちらです↓
ただし、痛めて初期の状態ではレントゲンでは離開が映らない場合があるので注意が必要です。(レントゲンで離開を確認するには痛めてから2週間以上たってからがいいです)
自宅でのセルフチェック
肩のセルフチェック
前からは、腕と耳の位置関係を見ます! 横からは、上がり具合を見ましょう!
バットを使って捻りの柔軟性をcheck! 左右差があれば要注意です!!
⚾3.リトルリーガーズショルダーになりやすい原因と対処法
よく言われている肩の痛みの原因で
投げ過ぎによる痛み・・・
では、このリトルリーガーズショルダーになってしまう原因は本当に投げ過ぎによる繰り返しの投球動作だけなのでしょうか。
野球を経験してきた方、少年野球の親御さんでこんな事ありませんでしたか。
「うちの子より、あの子の方がいっぱい投げているのになぜうちの子だけ肩・肘が痛くなるの??」
私は、野球肩・野球肘になるのは
投球数を制限するだけの問題ではない
と考えています。
肩の痛みを出している本当の原因、それは!
猫背姿勢と関節可動域不良が関係しています。
最近の選手でよくみかける猫背、これも肩の痛みを誘発している原因です
こんな姿勢では動かなくてはいけない関節も動きにくくどこかに負担がきます!
では、なにが原因なのか
もちろん、投げすぎることも危険因子の一つだと思います。
ただ、それ以上に大事なのは、
どこを使って投げているのか?
力任せに強く腕をふっているフォームは、成長している骨や筋肉に過度な負担が集中することで必ずどこかを痛めます。
たくさん投げているのに痛めにくい選手の多くは、
自分の意識とは関係なく潜在的に、投げる時に必要な、
・良好な姿勢 (パフォーマンスを出しやすい姿勢)と
関節の使い方が上手だと考えています
➡
関節の位置が正しいところにある肩関節を含め様々な関節が動きやすいのでパフォーマンス
アップに繋がります!!
・関節の動き 特に肩甲骨と体幹の動き
猫背のような姿勢の場合、肩甲骨の動きがかなり制限され肩への負担が増強します!
あとは、体幹の使い方も肩へかかる負担が変わりますね
投球フォームをチェックする時にはこのような感じで見ることが多いですね!
他にもいくつか問題がある点がありますが、多くは
何度も言いますが、姿勢と関節の動きが肩にもたらす負担と大きく関わっています!
私たちは、痛みが出ている場所だけでなく
全体を診て負担が肩に出てくると考えているので
上記の内容を含めたチェックを
必ず、投球フォームをチェックしながら
マッサージ・超音波治療器を使った治療を行います。
⚾4.痛みがある時の治療と必要なリハビリ
治療
アシストでは、軟骨の炎症が起きているので炎症を抑えるような機械を使います。
この超音波治療器は、LIPUS(リーパス)という機能が搭載されていて、その機能が!
LIPUSによる音圧効果で骨の形成を促進し治療期間を約40%短縮
させることができるのです!!
骨に器械的な刺激を与えると、その刺激に応じて骨が形成、修復されることが確認されています。
超音波骨折治療法は、プローブ(皮膚に当てる機械)を患部に固定した状態で出力の弱い超音波を断続的に発振することで、骨折部位に音圧刺激を与え、骨の癒合を促進します。
伊藤超短波ホームページより
骨自体の回復をしっかりと行いながら、マッサージなどをして
根本からの治療も行います。
そして痛みの改善と、再発予防としてリハビリはかかせません!
ポイントとして
・猫背による肩甲骨の動きが悪くなっているので姿勢改善
・体幹力を強化するだけではなく、側屈(横に倒す動き)回旋(捻る動き)を出す事!
・一番大事なのは、肩関節の可動域の修正
などが大切ですね。
あと、
治療家が診る投球時のチェックポイント
1、腕の捻り具合
後ろから見た時に、ボールが見えるのか?隠れるのか?をチェックします。
右図のように、ボールが見える範囲が多い場合、腕の捻じれが大きくなりよくないです。
2・ボールと頭の位置関係 (前足が着いたとき)
ボールが頭から離れすぎているとリリースまでの距離が長くなりこれも
肩・肘への負担が増強してしまうので要チェックです!
3・股関節の柔軟性
投げ終わった時に骨盤がどのくらい捻じれているか、これは骨盤が内側へ捻じれている方が
投げる時の衝撃を吸収していると考えるのでこの動きをよく見ますね!
投球動作をチェックした後には
関節の動きをチェックします
下肢のセルフチェック
・股関節の柔軟性①
どれだけ骨盤が下に落ちるのかをチェックします
その中でも 骨盤の動きが重要で
骨盤が落ちていても、腰が丸まっていてはダメ✖ 骨盤を立ててどれだけ落とせるかが重要です!
・股関節柔軟性②
とにかく抱え込めるのかが大事です、
この時に、反対の足が伸びていないとダメ 伸びた状態でどこまで抱え込めるかが大事です
⚾.5 野球肩と診断されて一日でも早く治す為の栄養療法
食事面で何より大事なのは、バランスよく食べる!
当たり前の事ですが、これが難しいですよね。。。
私たちのスタッフで、加藤という管理栄養士がいます。
加藤が考える
『骨の修復を促す食事療法』があります。
骨の修復で大切なのが
エネルギー(=主食・主菜)
カルシウム(=乳製品)
を必ず毎食揃えることが最も重要で
続いて、
・骨の形成を促進してくれるビタミンK(=大豆製品)
・コラーゲン合成時に必要なビタミンC(=果物)
も重要になってきます。
なので、
バランスよく食べる中でも、
- 主食、主菜、乳製品、果物を毎日揃えること
- 朝食などで納豆などの大豆製品を1日1回は食べること
- 治るまでは、マルチビタミンと書かれているスポーツドリンクを選択して飲むこと
これらを食事の時に意識してもらえると、治療と重ねて内部からも骨の疲労骨折の回復になります!
もっと、詳しく栄養面でのサポートをご希望の方は、個別の栄養相談もできます。
私たちは、
野球に真剣に向き合っている選手のサポートを
痛みの改善から復帰、さらには再発予防まで考えて治療・リハビリを行っています。
悩まれている方がいれば、一度ご連絡下さい。