アーチコラム 名古屋市でスキー、スノーボードの事故で膝を怪我してしまった方へ
こんにちは。私は名古屋市 緑区にあります、スポーツラボ鍼整骨院滝ノ水で柔道整復師として勤務している安藤 麟と申します。
今回はウィンタースポーツと膝のケガについてのお話です。
季節は厳冬期となりました。各地で雪が降り、ゲレンデも軒並みオープンになりましたね。
この時期になると、スキーヤー、スノーボーダーの皆さんは週末が忙しくなるのではないでしょうか?
待ちに待ったこの季節、存分に楽しみたいですよね。
しかしながらスポーツ中の事故で怪我をしやすいのもウィンタースポーツです。
私たちの元にも多くの方が来院されます。
中には重篤な怪我をしてしまい手術を余儀なくさた方もいらっしゃいます。
その中でも特に多いのが``膝の障害``でした。
それではなぜ膝の怪我が起きてしまうのでしょうか。
まずは膝の構造を簡単にご説明します。
写真:アトラスより引用
膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨で構成されます。
構造は他の関節とは大きく違い、骨同士がはまりこんでおらず
骨の上にもうひとつの骨が乗っかっているだけ、という状態に近いです。
そのためよく動く反面とても不安定であり、
周りの筋肉や靭帯などによって補強されています。
この構造が膝を痛めてしまう原因に繋がってきます。
次にこれをスキー、スノーボードに当てはめて考えてみましょう。
スキー、スノーボードでの膝の怪我の多くは、速度が出ている時や、技後の転倒で引き起こされます。
細かい場面で分けてみると、スキーでは急な斜面やコブでの怪我が多く、スノーボードではスムースやパークでの怪我が多く報告されています。
スキー、スノーボードで転倒した場合、単に膝を痛めるだけではなく、ボードに足が固定されているため、膝に強い捻りの力が加わることが多くなります。
先ほど、膝は形状的な問題で不安定だとご説明しましたが、特に捻りのストレスにはめっぽう弱く、捻りのストレスが加わると膝を補強している靭帯を損傷してしまうことがあります。
膝の靭帯損傷は普段、サッカーやバスケなどのステップ中や切り返しなどで膝を捻ってしまうことで起こりやすい怪我ですが、スキーやスノーボードではさらに強い捻りのストレスが加わるため、重症になってしまうことが多くなってしまいます。
最近ではボードの改良などによって、さらにスピードが出たり、バネのように反発がもらいやすいような物も作られるようになりました。
しかしながら、プレイヤーに返ってくる反動なども増えてしまうことで、それに耐えられず怪我をしてしまう例も増えてきています。
このような怪我を体勢が大きく崩れたり、転倒してから防ぐのは難しいため、もっと前の段階で未然に防ぐことが大切になってきます。
具体的に言うと、体勢が崩れそうになる前に体勢を戻したり、反動に耐えられるバランス力やすぐに体勢を立て直す瞬発力を養うことが大切になってきます。
それでは、バランス力や瞬発力を鍛えるためにどのようなことをすれば良いのでしょうか。
大切なことは、まず体に備わっているセンサーを研ぎ澄ますことなのです。
人間にはたくさんのセンサーが存在しますが運動中に大切なセンサーは2つで、
それはズバリ、目と足の裏です。
目についてはなんとなくわかるのではないでしょうか。
目の前で起こったことや地形、自分の傾きなどを目で見ることで確認し、それに合わせて体を動かしていきます。
では足の裏に関してはどうでしょうか?
あまりぱっとイメージができないかもしれませんが、これがとても大切になってきます!
試しに片足立ちをしてみましょう。おそらくグラグラするのを止めようとバランスをとるはずです。
しかしそれは目というセンサーがあってのものです。
では次に片足立ちのまま目を閉じてみてください。
さっきよりバランスを保つのが難しいのではないでしょうか?
ではその時どこの感覚を使い、バランスを保っているでしょうか。
足の外側に体重がかかっているから外側に倒れそうだ、だから内側に体重移動しなければ…というような判断をしているのではないでしょうか?
このように目というセンサーが働かないときには足の裏のセンサーを使いバランスを保ちます。
このような状況に陥ることは決して少なくはありません。
特にスキーやスノーボードのように一瞬の反応が必要になる場合、目で見て判断してから動くのでは遅すぎてしまいます。
逆に言うと、普段視覚に頼りすぎている場合、瞬発的な動きが必要な場面で反応が遅れてしまうことがあるということです。
これを防ぐためにも足の裏の感覚を鍛えておくことが大切です。
ここからは足の裏の感覚を養うトレーニングをお伝えしていきます。
①足裏リリース
まずは準備運動です。
ゴルフボールやスーパーボールなど小さくて硬いボールを用意します。
用意できたら足の裏でボールを踏み、転がします。
この時に足の裏をほぐしながら、ボールが足の裏のどこに当たっているのかを感じてください。
1分ほど行いましょう。
ここからがトレーニングになります。
今回は100円ショップで売っていた柔らかいボールとストレッチポールを準備しました。
ストレッチポールの代わりはラップの芯など、長くて上に乗ると不安定なものであれば
大丈夫です。
(ボールは少し空気を抜いて行うのがおすすめです)
②ボールバランス
準備したボールの上に乗ってバランスをとってみましょう。
まずは目を開けた状態でボールの上で体重移動をします。
慣れてきたら目をつぶって行います。
さらに慣れたらボールの上でスクワット動作を行ってみましょう。
スクワットまで目をつぶって出来るようになったらかなりの上級者です!
こうすることで目を使わずに判断する情報が増え、実際のスポーツ中に近い状態となります。
ポールを使う際も同じです。
スノーボーダーの方はポールでのバランストレーニングがより実践に近く、慣れやすいかもしれません。
ポールをお持ちでない方はラップの芯や細い板の上など不安定になりやすい場所でやってみましょう。
今回の内容は以上です。
お伝えしたトレーニングはセンサーだけではなく体幹を鍛えることもできるのでぜひご自宅で実践してみてください。
皆さんの冬が充実することを願っています。
尚、私たちは日頃痛みに対する治療や、動作や姿勢を分析し、個人にあったトレーニングで皆さんをサポートさせていただいております。
何かお身体に対するお悩みをお持ちでしたら、お気軽にお問い合わせください。
ご清覧ありがとうございました。
スポーツラボ鍼整骨院 滝ノ水 安藤 麟
TEL 052-842-8330