アーチコラム 袋井で水泳をしていると肩周りが疲れてしまう方へ~正しいプルと筋肉~
こんにちは。アスリート鍼灸整骨院の安藤 麟です。 私は静岡県袋井市のアスリート鍼灸整骨院で、柔道整復師として勤務しております。
今回は水泳のお話をさせていただきます。 皆さんは水泳と言えば何を思い浮かべますか?
おそらく「クロール」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 そんな誰もが一度は泳いだであろうクロールですが「泳いでいるとだんだん肩周りが疲れてきて、スピードが出せなくなった」という経験のある方は多いのではありませんか?
クロールだけではありません。バタフライや背泳ぎなどでも同じことが言えます。 それぞれの泳法に共通しているのは、
「手で強く水をかく必要がある」ということです。
水泳には手で水をかく「プル」と、脚で水を蹴る「キック」の2つの動きがあります。
そして強い推進力(前に進む力)を得るためには、プルがとても重要だと言われています。
ある研究では泳ぐ速さに対してプルは70%以上貢献しており、クロールに至っては泳力に関わらず
プルが90%以上貢献している、というデータも出ています。
ここまででプルが水泳においてどれだけ大切かわかっていただけたと思います。
しかし、この「プル」ですが、身体のある部位がしっかりと動かないと肩周りが疲れてしまい、推進力を得にくくなってしまいます。
その部位とはズバリ
「肩甲骨」です。
なぜ肩甲骨を動かす必要があるのか理解するために、まずはプルの時に使われている筋肉に注目してみましょう。
プル時に働く筋肉は多く存在しますが、その内、特に大きな力を発揮するのは
「広背筋」「大胸筋」「上腕三頭筋」という筋肉です。 写真で見てもわかる通り、他の筋肉に比べてかなり大きいことがわかります。
そしてこの3つ全ての筋肉に肩甲骨の動きが関わってきます。
まず広背筋はお尻や腰から始まり、上腕骨についています。しかし、その途中で肩甲骨の下の部分を経由します。広背筋が働くときは、肩甲骨が滑車のような役割をするためスムーズに大きな力を出すことができるのです。
この時肩甲骨は下に下がり(下制)下に向かって回旋します(下方回旋)。もしこの動きがうまく出せなければ広背筋は使いづらくなってしまうのです。
大胸筋は胸の真ん中の胸骨という骨と鎖骨から上腕骨についています。肩甲骨にはついていない筋肉ですが、大胸筋は胸を張る状態でないとたわんだ状態になってしまいます。
筋肉はたわんだ状態だと強い力を発揮することができなくなります。この胸を張る姿勢を作るには、肩甲骨を内側に寄せる(内転)必要があるのです。
上腕三頭筋は肩甲骨から上腕骨を飛ばして肘の骨につきます。この筋肉は主に肘を伸ばす時に強い力を発揮します。
プルではまず初めに大胸筋や広背筋が働き上から下へと腕を引きます。そしてプルの終盤、肘を伸ばし切るときに上腕三頭筋が働きます。腕を下に引く働きもありますが、この筋肉の力だけでは不十分でしょう。
以上の大きな筋肉が働き、その他の小さな筋肉が細かな動きや、補助的な役割を果たすことによって安定した強いプルを生み出すことができます。
もし上記の大きな筋肉が使えない場合、そのほかの小さな筋肉に頼ってプルを行わなければなりません。肩が疲れてしまう方は重い水を押すのに、こんな小さい筋肉だけで頑張っている、と考えるとわかりやすいのではないでしょうか?
繰り返しますが大きな筋肉を使うには
肩甲骨がしっかりと動くことが大切なのです。
しかし肩甲骨は固まりやすい部位でもあります。
なぜなら他の骨と違い、骨同士が関節しているのではなく、筋肉の上に張り付いているだけの状態だからです。
そのため、土台となっている筋肉が固まってしまうと肩甲骨もその影響を受けてしまうのです。さらに肩甲骨は四方に筋肉がついているため、どれかが硬くなってしまうとその影響を受け、正常な動きが妨げられてしまうことがあるのです。
肩甲骨を動かしやすい状態にするには周囲の筋肉を柔軟にし、積極的に動かすことが大切です。そのための運動をここでいくつかお伝えします
1.肩甲骨エクササイズ
・バスタオルなどを巻いて背中に挟み、仰向けで寝ます。
・手を外に向け胸を張りながら肘を曲げ、下へおろします。
・胸の筋肉が伸びているのを感じながら行いましょう。
・回数は10回ほど繰り返しましょう。
2.プルダウン
・ゴムやストッキングなど伸びるものを準備します
・胸を斜め上に突き出し、肩甲骨を下げます。
・同時に脇を締めるのを意識し、腕を下へと引きます。
・背中の中心に全てを集めるのをイメージして行いましょう。
・10回3セットほど行いましょう。
3.プッシュアップ
・肩幅より少し広く手を着き、胸を張って肩甲骨を寄せます。
・この状態をキープしながら胸を地面に近づけ、降ろしきったら地面を押します。
・胸の筋肉と腕の筋肉を意識しましょう。
・10回を3セットほど行いましょう。
今回のお話は以上です。
ご紹介したトレーニングは最初は少し辛く感じるかもしれませんが、続けることで楽にできるようになるでしょう。そのころにはきっと、プルも楽になっているはずです。
少しの努力でも続ければ身体が変わります。それを実感できたとき、より楽しいと思えることでしょう。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
アスリート鍼灸整骨院 袋井 安藤 麟
TEL 0538-44-2552