アーチコラム 突然肩に痛みが出て腕が上がらなくなった方へ
こんにちは。アシスト鍼灸整骨院の河原崎です。
私は柔道整復師と鍼灸師の資格を持ち、静岡県磐田市にあるアシスト鍼灸整骨院で痛みや身体で困っている方の治療やリハビリをさせていただいています。
今回は大工のお仕事をされているOさんの症例についてお伝えします。
ある日、仕事の準備のため机に置いてあった約2キロの道具箱を右手で持ち上げようとした際、右肩の前から外側にかけてズキンと痛みが走ったそうです。
それからもう一度腕を動かそうとすると肘を曲げるだけでも肩に痛みが走り、腕も胸の高さにすら挙げられなかったそうです。
その後、一日経過しても痛みが引かず受傷した次の日に当院に来院されました。
Oさんは毎日同じように仕事の準備をして大工仕事で使う物や木材を持ち上げ、1キロのインパクトドライバーを木材に押し付けるように力をいれる作業を何十年もやってきたそうです。
元々は右肩から腕にかけて軽いダルさが日によって出たり出なかったりしていたそうですが、このように突然痛みが出て腕が上がらなくなったのは初めてだということでした。
ではなぜ今まで重い物を持ち思い切り力を入れていても痛めなかったのに、2キロ程度の物を持ち上げただけで腕が上がらないほどに肩に痛みが出てしまったのでしょうか?
Oさんが来院された時に痛みが出ていたのは受傷時と同じ右肩の前面から外側でした。
そして痛みの影響がありますが、姿勢はかなり崩れており上半身質量中心は左にあり肩甲骨は下制、外転(上半身は左に流れ右肩は下がり、右肩甲骨は外側にいき、上腕に対し手のひらが内側に向いて捻じれている)ようにみえました。
色々話を聞いてみるとOさんは仕事をする中で右腕を内側に捻る動作が多く普段から右腕が内側に向いていたそうです。
そうなると肩から腕の筋肉が捻じれてしまい、肩から腕の筋肉にストレスがかかり痛めやすくなってしまいます。
そのため、治療ではまず上腕から前腕にかけての筋肉の間を剥がし、腕を上げる際に筋肉が働きやすくし、上半身質量中心を右に移動させることと肩甲骨の位置を内転位に戻し上腕を内旋、前腕を回外にするようにしました。
ここでは2つご自宅で出来るケアをお伝えします。
①前腕が回内位になっている場合の前腕回外リリース
上腕骨内側上顆から前腕の外側に向かって親指を使いほぐしていきます。
これを一日に朝と夜に1分ずつ行います。
②棘下筋リリース
テニスボールや野球ボールを写真のところに当て壁に押し当てながら左右に動かしほぐします。
これを一日に朝と夜に1分ずつ行います。
※肩を挙げるのが痛い方は無理に挙げなくても大丈夫です。
普段何気ない日常生活や仕事の積み重ねがケガや痛みに繋がることがあります。
なので、日頃から気になっている体の痛みや違和感を放っておかずに日頃からケアをすることが大切です。
Oさんも今まで肩から腕にかけてのダルさがあったのを忙しいからと放っておいたことを後悔されていました。
現在は治療から2週間ほどで肘を曲げても痛みは無く、腕も最後まで上がるようになりました。しかし、まだ重い物を持つと少し痛みが出てしまうためこれからも治療を続けさせていただきます。
アシスト鍼灸整骨院
静岡県磐田市千手堂888‐1
河原崎 司
TEL0538-33-6021