アーチコラム 浜松でバスケットボールのディフェンスの構えをすると股関節の前面が痛くなる選手へ(アーチ鍼灸整骨院 浜松)
今回は、中学校でバスケットボールをしている浜松市のY選手の症例です。
3週間後に県大会を控えているY選手は練習試合でディフェンスをする際、体勢を低くした瞬間に左側の股関節前面がぴきっと痛くなりました。
治療院に来た時には股関節を曲げるだけでも痛みがあり、思うようにプレーが出来ませんでした。
この選手の股関節の痛みの原因は何でしょうか・・・。
まずこの選手の立位での姿勢を見てください。
そしてこちらが待合室で座っているときの姿勢です。
どうでしょう。実は立っているときも座っているときも同じような姿勢をしています。
これが他のコラムでも良く出てきている『スウェイバック姿勢』と言われるものです。
この姿勢にで生活していると、股関節の前から大腿の前が重力によって後ろに倒れないようにピンと張って支えている状態になります。(立位写真の赤線)
そんな状態でディフェンスのような構えをすると、正しい位置で股関節の屈曲が出来なくなってしまします。
日常生活の中でも、そして部活中も毎日毎日その動作を繰り返していれば股関節が痛くなるのも納得ですよね。
そしてY選手の場合は特に左側の骨盤が右側の骨盤よりも前にいたため、左側の方がより重心が後ろになり股関節の前側にかかる負担も大き
く、引っ張られていたので、今回左側に痛みが出たものと思われます。
それではこの姿勢を改善するためには、もうコラムを読んでいただいている方ならわかるかもしれませんが、大殿筋下部を使えるように
して正しい位置で股関節を動かせるようにしていかなければいけません。
Y選手にまずやってもらったのは、3つです。
と、その前に大殿筋とはお尻にある大きな筋肉でいい姿勢を維持するのにとても大事な筋肉です。
もちろん歩く、走る、ジャンプするなど日常生活やスポーツでも大活躍します。
赤く塗られているところが大殿筋です。
①大殿筋のリリース(大殿筋は縮み固まって使えなくなっているため)
ソフトボールを使い1分間ゴロゴロとリリースします
②大殿筋のストレッチ(リリースして伸ばしやすくしてから行う)
20秒間ゆっくりと反動をつけずに行います
③ヒップリフト(Y選手の場合は股関節がつまるので手でつまりを引っ張り出しながら)
5秒間キープ×10回
股関節だけを曲げていく。背骨が丸くならないように。
膝の上に股関節を乗せていくように、膝の位置は変えない。
赤い矢印方向に手で引っ張る 赤線のところが張るように
来院初日に、このリハビリと手技、鍼治療を行い痛みは10分の2になりました。
プレー中、まだ痛むことはあったそうですがだいぶ楽になってもらえたそうです。
そして、1週間が経った今ではほぼ痛みなくバスケをやれています。
これで県大会には思い切りプレーをしてもらえそうです。
リハビリも、さらにレベルを上げてスクワットジャンプや切り返しもやっていく計画を立てています。
もう1つ、気をつけてもらったことは授業中や家での生活で椅子に座るときは上半身を股関節よりも後ろにせずに、前に持ってくること。
疲れてきたときは手で膝を押さえるか、肘をつくかにしてもらい、なんとしてでもスウェイバック姿勢を出さないようにしてもらいました。
これも早く治すためのポイントです。
スポーツでの動きは、日常生活の姿勢や動きによって作られているものだと考えられます。
私たちは、歩行分析・動作分析を得意としております。
ぜひお体の痛みや、お悩みがありましたら無理をせず、ご相談ください。
アーチ鍼灸整骨院
増田 鮎美