アーチコラム 重たいものをを持つときに、肘の外側が痛む。これってテニス肘?(アシスト鍼灸整骨院 磐田市)
こんにちは。アシスト鍼灸整骨院の鈴木亮瑛です。
現在私は、鍼灸師・柔道整復師・アスレティックトレーナーの資格を持ち、静岡県磐田市にあるアシスト鍼灸整骨院にて、痛みで困っている方の治療やリハビリをさせていただいております。
今回は、一般の方やスポーツ選手にもよく見られる、肘の外側の痛み(テニス肘)について、少し踏み込んでお話しさせていただきます。
前回のコラムにあげたテニス肘の治療症例はこちら
https://www.arch-treat.com/news/detail/87
日常生活において、重たいものを持つときや肘を曲げたり伸ばしたりする作業が続くとき、
スポーツにおいては、腕を力強くスイングするときなどに肘の外側が痛くなることがあります。
この肘の外側の痛みは、多くは上腕骨の外側上顆という骨の部分が痛んでおります。痛みが強いときは、そこがポコっと腫れたり、押すと痛みが走るといった症状が見受けられます。
一般的には、上腕骨外側上顆についているスジ(筋肉)の引っ張りによって、その部分に伸長ストレスが加わり、痛みが出ていると言われております。
外側上顆につく筋肉は主にこちら
重たいものをもつときやスポーツ中に力強くスイングするときは、これらの筋肉に過収縮がおこることで、付着している外側上顆に痛み(炎症)を引き起こすというメカニズムとなっております。
こちらを見てください。
各関節運動の法則が載っております。
肘(ヒジ)関節は、安定に優れている関節となります。その上下の関節を見てみると、肩関節は可動性、手関節も可動性に優れている関節となります。
なので、今回の外側上顆炎のように肘に痛みが出ている方は、もしかしたら肩や手首の動きが固くなってしまっていて、逆に肘が動きすぎてしまっているという、正しい関節運動から逸脱してしまっている可能性があります。
ということは、肘だけマッサージや電気治療していても良くならないのは、このことから分かりますね。
肩関節や手関節の動きを出してあげることがとても大切になります。
もっと言うと、物を持つときやスポーツ中にスイングするとき、実際、肋骨(胸郭)が一緒に動いております。これは、皆さん呼吸をしている以上は必ずです。
では、先程の図を見てみてみましょう。
肋骨はくるっと身体の後ろを回って胸椎という背骨についております。
胸椎は、可動性に優れている、関節運動を示していますね。
肋骨(胸郭)の正しい運動はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=Ca5hYhE8rJk
皆さん、チェックしてみてください。
実際に肋骨を触って、上の肋骨が前後に、下の肋骨が横にしっかりと広がっていますか。
もし正しく肋骨の動きが出ていなければ、胸椎の動きが固いということになり、これまた肘の痛みと繋がることになります。
まだ、いきましょう。
次の着目点はこちら。
『上半身質量中心』
この質量中心は『第7胸椎~第9胸椎』当たりのちょうどみぞおち部分にあると言われております。これは、個人差があります。
例えば、右手で重たい物を持つとき、この上半身質量中心は、左右どちらにあると、肘へ負担がかからないでしょう。
答えは右です。
木の幹と枝で考えると分かりやすいです。
幹が人間でいう胴体で、枝が腕だとして、
例えば、枝の先に重たいスイカを置くとしましょう。
枝(腕)が長くなればなるほど、幹(胴体)からの距離が遠くなることになり、スイカの重みに耐え切れず、枝の途中で折れちゃう気がしませんか。
それと一緒なんです。
胴体と腕の先にある重みの距離をいかに近づけることが、肘への負担を減らす上で大切なのです。
もしかしたら、長年肘の痛みで悩まされている方はこの上半身質量中心が関係しているかもしれません。
このように、肘の外側の痛み(テニス肘)は、身体のあらゆる要素が関係しています。
肘だけ治療していても、一時的には良くなるかもしれないが、また痛みが繰り返してしまう方は、その原因が改善していないからであります。
私たちは、その原因を一人一人に対して見つけることが得意としております。もし、肘の痛みで悩んでいる方がいましたら、ぜひご相談ください。